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2021.12.08 08:00

【日米開戦80年】不戦の誓い新たにしたい

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 太平洋戦争の発端となった旧日本軍による米ハワイ・真珠湾攻撃からきょうで80年になる。
 1941年12月8日未明、海軍航空部隊が停泊中の戦艦アリゾナなどを撃沈、多数の艦船を大破させた。これに先立ち陸軍は英領マレー半島に上陸し、英国とも開戦した。
 戦域はそれまでの中国大陸から西太平洋、東南アジア全域、豪州にまで広がった。戦火は関係国に甚大な被害をもたらし、日本人だけでも310万人の犠牲者を出して国家存続の危機を招いた。
 なぜ、無謀な戦争に突き進んだのか。明らかな要因は、軍部の暴走をコントロールできなくなったことにあろう。経済圏域を広げるための侵略行動が欧米列強との対立、反目を育てることになった。
 今年1月に死去した作家、半藤一利さんは「昭和史」シリーズを完結させた際、「戦前の日本はフィクションの世界に生き、できもしない夢を見た」と述べている。
 指導者層が国際連盟脱退、日独伊三国同盟、南部仏印進駐など要所で誤った判断を繰り返したことを踏まえた指摘になる。日米開戦80周年に当たって、国内外の民衆に不幸と悲劇をばらまく結果になった過程を思い起こさなければならない。
 真珠湾のアリゾナ記念館には2016年、当時の安倍晋三首相が訪れ、旧日本軍による真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊した。この年はオバマ米大統領も現職大統領として初めて被爆地・広島を訪問している。
 日米両国は戦後一貫して緊密な同盟関係を保ってきた。しかし、互いの複雑な国民感情を背景に、いずれも歴代の両国首脳が訪問に踏み切ることができなかった地だった。
 安倍氏は現地で演説し、両国が戦後は憎しみを友情に変え、強い同盟関係を築いたことをアピール。かつての敵国同士を結びつけた寛容と和解の力を強調し、「不戦の誓い」も繰り返した。
 ただ、真珠湾での和解はあくまで日米2国間のものである。近年の日本の外交・安全保障政策が、世界に向けて「不戦の誓い」を貫けるものなのかが問われる。
 安倍政権下では、集団的自衛権の行使を可能とした安全保障関連法が成立した。日本海で北朝鮮の弾道ミサイル防衛に当たる米イージス艦への洋上給油といった複数の新任務が実行に移されるなど、自衛隊と米軍の一体化が進む。
 台湾を巡る対立をはじめ米中両国の覇権争いも先鋭化している。米中の偶発的な衝突に巻き込まれる恐れも含めて今後、日本は本当に「不戦」を堅持できるだろうか。
 日米開戦は、軍部だけの独走とも言い切れない。半藤さんは「多くの国民は真珠湾攻撃の成功を聞いて喝采した」「新聞は戦争に協力したどころか、政府や軍部以上に戦争をあおった」とも指摘している。
 「空気」に支配されず、真実の情報を公開させ、権力の動きを監視できているか。国民として、報道機関として自戒する日としたい。

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