2021.11.12 19:01
「源氏物語」巻物に戻る、名古屋 額装から修復、国宝公開
劣化を防ぐため巻物に戻された国宝「源氏物語絵巻」の一巻(徳川美術館所蔵、提供)
徳川美術館(名古屋市)が、修復を終えた国宝「源氏物語絵巻」を13日から特別公開する。巻物は1932年に保存目的で絵と「詞書」計43枚に分割され額に入れられていたが、今回、劣化を防ぐために巻物に戻した。本来の姿に近い形での鑑賞が可能となる。12月12日まで。
紫式部が創作した「源氏物語」を描いた現存最古の物語絵巻で、平安時代の12世紀前半に制作されたとみられる。同館は、江戸時代から尾張徳川家に伝わる3巻を所蔵する。
巻物は15巻にまとめた。軸を従来より太くすることで紙が折れにくくなり保存性が向上した。絵と詞書が一続きになり、絵巻本来の味わいを鑑賞できる。