2021.10.09 08:33
あふれる個性感じて スピリットアート展開幕、10/17まで高知県立美術館
個性豊かな作品が並ぶスピリットアート(高知市の県立美術館)
県と同展実行委員会が、制作を通じて障害者の意欲や社会参加を促そうと1997年から毎年開催している。
会場には棒状に丸めた広告紙で作った高知城の立体作や、紙(縦60センチ、横85センチ)の表裏に自分の名前を数ミリの細かい文字でびっしり書き、模様のように仕上げた工芸作「表も裏も オレ安松」など、熱量を伝える作品がずらり。
25回記念賞に輝いたのは近藤可連さん(18)=同市=の書。中国の書家・張旭(ちょうきょく)の古典詩を繊細な筆遣いで書き上げており、審査員が「よどみなく、走りすぎることなくじっくりと味わえる。張旭より見応えがある」と評したほどで、近藤さんは「来年は県展に挑戦したい」と意気込んでいた。
絵画で特選となった山下準一さん(51)=同市=は水彩クレヨンを何重にも塗り、ライオンの毛の質感を柔らかに表現。「20年以上出品してきたから(特選は)うれしい。風景画にも力を入れたい」と話していた。(坂本出)