2021.09.01 08:00
小社会 金婚式に思う
第1回は1958(昭和33)年。本紙創刊55周年を記念して557組をお祝いしている。最年長は須崎市の100歳翁(おう)。安政5(1858)年生まれというから、頭にちょんまげを載せていた時代の人だ。思い出話が面白い。
幼い頃から両親に口酸っぱく注意されたのは「街角を曲がるときは大回りせよ」。いきなり曲がると辻(つじ)斬りにばっさりやられるぞ、の意。先の戦争では米兵上陸のうわさに、9歳の時に土佐沖に現れた黒船の恐怖がよぎったという。
時代がかった回想が、私たちの地平が藩政期と地続きであることを物語る。以来、64回で4万3619組をことほいできた。その背後には、思いかなわず半世紀を添い遂げられなかった多くのご夫婦がいる。
そんな方々、とりわけ戦争で夫を亡くした女性の苦労をねぎらおうと、2004年に企画したのが「もうひとつの金婚式」。金婚には縁がないものとあきらめていた609人が呼び掛けに集い、戦後の道のりに亡き夫をしのんだ。セピア色の遺影の目立つ式典だった。
光があれば影がある。晴れの日に、日の当たらない人たちにも目を向け、思いをはせる。そんな創刊記念日でありたい。
9月1日のこよみ。
旧暦の7月25日に当たります。みずのえ ね 六白 先勝。
日の出は5時40分、日の入りは18時32分。
月の入りは14時36分、月齢は23.5です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で15時25分、潮位146センチです。
干潮は7時23分、潮位76センチと、20時15分、潮位134センチです。
9月2日のこよみ。
旧暦の7月26日に当たります。みずのと うし 五黄 友引。
日の出は5時40分、日の入りは18時30分。
月の出は0時31分、月の入りは15時29分、月齢は24.5です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で1時06分、潮位148センチと、16時17分、潮位158センチです。
干潮は8時45分、潮位67センチと、21時44分、潮位125センチです。