2021.08.26 08:00
小社会 行き合いの空
しばらく雨雲ばかりを見ていたが、季節の移ろいとともに変化する雲の表情というのがある。俳人の正岡子規はその変化をこう記した。〈春雲は絮(わた)のごとく、夏雲は岩のごとく、秋雲は砂のごとく、冬雲は鉛のごとく…〉
岩のごとき夏雲はもくもくとした入道雲。砂のごとき秋雲は小さな無数の雲が薄く広がり、砂丘にできる風紋のように見えるいわし雲の類いだろう。いまさらながら、子規の自然を捉える優れた観察眼と表現の巧みさを思う。
この時季は「行き合いの空」という言葉もある。入道雲の傍らで、はけで掃いたような秋の雲も流れる。厳しい残暑はあるにしても、去る夏と近づく秋が同居する。いまは空でも季節がせめぎ合っている最中なのだろう。
コロナ禍。本県もせめぎ合いの局面に入ったようだ。新規感染者はきのう初めて3桁になり、まん延防止等重点措置の対象にも加わる。長引く疫病との戦い。これまでも我慢と自粛を重ねてきた県民が大半だろう。これ以上何をすれば、という思いはあるが、警戒をもう一段強める転機にはしなければなるまい。
きのうは暗雲も交じった不安定な空だった。この「行き合い」を経て、穏やかな秋の空に向かいたい。
8月26日のこよみ。
旧暦の7月19日に当たります。 ひのえ うま 三碧 先勝。
日の出は5時35分、日の入りは18時39分。
月の出は20時59分、月の入りは8時55分、月齢は17.5です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で1時57分、潮位69センチと、14時09分、潮位54センチです。
満潮は7時54分、潮位188センチと、20時25分、潮位187センチです。
8月27日のこよみ。
旧暦の7月20日に当たります。ひのと ひつじ 二黒 友引。
日の出は5時36分、日の入りは18時38分。
月の出は21時27分、月の入りは9時53分、月齢は18.5です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時31分、潮位68センチと、14時35分、潮位70センチです。
満潮は8時32分、潮位177センチと、20時47分、潮位182センチです。