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2021.08.11 08:00

【早まる温暖化】警鐘を対策強化に生かせ

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 地球温暖化のペースは従来分析よりも10年早まっている。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した最新予測は、極めて厳しい現状を突き付ける。
 世界で起きる異常気象に人間の活動が影響していることは「疑う余地がない」と断定する。「可能性が極めて高い」とした前回報告書から表現を強めた。
 警告を重く受け止めたい。気候変動対策の強化と加速が迫られている。危機意識を高め、地球規模の課題と真剣に向き合う必要がある。
 IPCCは気候変動に関する最新の科学的知見を評価する。今回、温暖化がこのままのペースで進むと、産業革命前と比べた世界の平均気温の上昇幅は、2021~40年の間に1・5度に到達するとした。これまでは30~52年とみていた。
 世界の平均気温は既に1度以上上昇したと指摘する。温暖化が0・5度進行するたびに、熱波や大雨などの発生頻度が増大していくとする。近年多発する豪雨災害も、より厳しいものになることが想定される。海面水位の上昇も招く。
 化石燃料に頼った温室効果ガスの排出が多いシナリオでは、今世紀末には最大5・7度上昇する可能性があると警告する。大幅な削減が不可欠となっている。
 15年に採択された地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑える目標を掲げる。ただ、0・5度の違いで生じる影響は相当に大きいとされる。
 このため、1・5度までとすることをより強く意識する傾向にある。4月の日米首脳会談の共同声明でも、2度未満には言及せず「1・5度までに制限する努力」を盛り込んだ。気候変動の脅威に危機感が高まっていることの表れだろう。それは同時に、実現への困難が増していることも間違いない。
 日本は50年までの脱炭素社会の実現を改正地球温暖化対策推進法に明記している。途上の30年度には、温室ガス排出量を13年度比46%削減すると大幅な引き上げを表明した。
 国際社会から批判された消極姿勢を改めた。もっとも、実現は簡単ではなく、数字合わせとする厳しい見方さえある。揺るがない姿勢で、努力を積み重ねていくしかない。
 政府の地球温暖化対策計画案は、企業や自治体、家庭が取り組む具体策や削減目標を掲げる。
 産業部門は排出量が多く、削減幅が小さいようではやる気が疑われる。これまでの実績や国際競争をにらんでの配慮かもしれないが、近年は環境や人権問題への対応が企業評価につながっている。それを忘れては逆効果になりかねない。
 エネルギー分野は、火力発電は国際的な縮小圧力を受け、原子力は安全性への懸念が根強い。それだけに、再生可能エネルギーへの期待が膨らむ。技術開発や送電網の整備に時間がかかり早急な導入拡大は難しいとはいえ、移行へ向けた積極的な対応が求められる。

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