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2021.09.04 08:00

小社会 野戦か臨時か

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昔の映画ならテントの下に狭いベッド、今でも内戦状態の国などでは廃虚と化した建物の中で、砲火交える音を聞きながらの治療となる。「野戦病院」の一般的なイメージをこんなふうに想像する。

 長いコロナ禍で最近のテレビからは、「野戦病院」の議論をよく見聞きする。戦争時の後方支援と、平時の感染症対策とはまるで違う。「臨時医療施設」。そう呼ぶ方が語弊がなく、冷静な対応につながるのでは。

 言葉の上の相違はさておき、臨時の医療施設には、もっともな理由がありそうだ。まず、これまで原則入院となった感染者が、政府方針で自宅療養になり急増している。自宅に戻せば家庭内感染のリスクが増すのは素人でも分かる。

 無症状や軽症だった自宅療養者が急変し、死亡する例も増えている。医療の現場や保健所はパンク寸前だ。こんな状態を緩和するために、体育館などを受け皿に使う臨時施設は、感染者の安心にもつながろう。

 しびれを切らした自治体の首長らが、既に施設の設置を先行させている。個室仕様の室内に清潔そうなベッドと椅子。少ない医療スタッフで全体が見渡せ、酸素投与が可能な機器も備えている。

 コロナ対策でさんざん後手を批判されてきた菅首相がきのう突然、辞意を表明した。コロナ対策と自民党総裁選の両立は難しいという理由で。もう何があっても驚くまい。いまの政局は常に臨時の状況にある。

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