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2021.09.02 08:00

あけぼの 元気になあれ

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【田上璃香、47歳、地方公務員、いの町】
 2学期の始業式まであと2日に迫った入院中の中学3年生の次女に、残念なお知らせが病院からありました。
 8月初めに手術を受け、2週間の入院予定でしたが、諸事情で入院期間が長くなりました。同級生や担任の先生方が毎日のようにテレビ電話で、いつもと変わらない明るさと笑顔で勇気づけてくれており、それを励みに入院生活を送っています。
 「心配してくれている同級生や先生方に、元気なところを見せて安心してもらいたいから、9月1日の始業式には車の中からでも出席したい」と言いながら、懸命に治療やリハビリに励んでいました。
 しかし、高知県に新型コロナまん延防止等重点措置が適用され、病院の方針で学校への外出ができなくなったとのことでした。「残念だけど、こんな時期やからしょうがない、我慢や」と、口を真一文字に結び、つらいのをグッとこらえていました。
 また、ある日の夜中には、消え入るような小さな声で「お母さんは仕事を休んじゅうけど大丈夫なが?」と尋ねてきたので、「もちろん大丈夫やけど、どうかした?」と答えると、「私が入院したきお金がいっぱいいるし、仕事場の人にも迷惑をかけゆうね」と。「そんなこと、心配せんでも、お母さんはしっかりしちゅうろ?」と言うと、痛みの中、安心したのか眠ってくれました。
 普段は反抗期真っ盛りで、口のふちをひねくりたいほど横着な次女ですが、心身ともにつらい中でも周りに気配りのできる優しい人に育ってくれたことを再認識しました。何となく悲しくて抱き締めたくて、ひとりでに涙があふれてしまいました。
 ワガママ上等。元気になあれ。

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