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2021.08.22 08:00

小社会 百閒と借金

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過日の本紙学芸面に作家、内田百閒(ひゃっけん)がことし没後50年を迎えるとの記事が載った。これを機に新刊の出版や故郷・岡山県の文学館が企画展を開くなど、今なお作品は愛され続けている。

 恩師である夏目漱石の古くからの弟子。口を「への字」に曲げた偏屈そうな風貌だが、作風は不思議なユーモアに満ち、滋味に富む。自身の人生が誰にもまねできない、独自の境地を切り開いた。

 借金を錬金術とうそぶく借金王だった。近刊の「文豪と借金」(方丈社編集部編)は、文士の借金への対応を「泣きつく、途方に暮れる、踏みたおす、開きなおる」と分類している。どの項目にも当てはまりそうな百閒は、一読しても横綱級だ。

 現代の借金王といえば、まちがいなく日本政府だろう。国の借金はとうに1千兆円を超えている。最近の試算で新たな借金の積み増しが確実なものとして、東京五輪の巨額赤字や新型コロナ対策なども控えている。

 どちらも検証できない状態にあるという。コロナ対策費は感染が急拡大する現時点では「金額を確定できない」と財務省の幹部は言う。要は先送りである。

 最近の論調の中には「国家が倒産するわけではない」という借金を正当化する意見もある。仮にその通りだとしても、借りた金はいずれ返さなければならない。泣きつく先が子や孫の世代という一事をもってしても、百閒先生ではないが口がへの字に曲がってくる。


※百閒の「閒」は、門構えに月※


8月22日のこよみ。
旧暦の7月15日に当たります。みずのえ とら 七赤 先負。
日の出は5時33分、日の入りは18時44分。
月の出は18時59分、月の入りは4時46分、月齢は13.5です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時16分、潮位196センチと、18時41分、潮位196センチです。
干潮は12時02分、潮位16センチです。

8月23日のこよみ。
旧暦の7月16日に当たります。みずのと う 六白 仏滅。
日の出は5時33分、日の入りは18時43分。
月の出は19時34分、月の入りは5時53分、月齢は14.5です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時16分、潮位86センチと、12時38分、潮位19センチです。
満潮は5時59分、潮位200センチと、19時10分、潮位196センチです。

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