2021.10.02 08:37
隈研吾さん設計「雲の上のホテル」さよなら 梼原町、隈さん新設計で2024年再開
現施設での営業を終え、備品などが運び出される「雲の上のホテル・レストラン」(梼原町)
ホテルは1994年、町が約6億2千万円で国道197号沿いの太郎川公園に建設。雲をイメージした飛行機の翼のような屋根が特徴で、町のシンボルとして長年親しまれた。しかし、雨漏りなど老朽化が進んだため、2020年12月に町が建て替えを発表していた。
最後の宿泊日となった9月30日は、県内外の観光客ら25人が滞在。千葉県から妻と初めて訪れた会社員、吉岡康明さん(62)は「前から来たかったので、ぎりぎり最後に来られて良かった。他にはないデザインで、取り壊しは残念でもったいないですが、新しくなればまた来たい」と、建物を写真に収めていた。
新型コロナウイルス禍にもかかわらず4月以降ほぼ満室が続いたそうで、青木慎也支配人(46)は「隈さんの建築ということで多くの人が訪れてくれた。なくなるのは名残惜しいが、地元や旅行客に愛されるいい新施設を造っていきたい」と話し、備品などの搬出を見つめていた。
隣接する「隈研吾の小さなミュージアム」も当面の間、閉鎖となる。(富尾和方)