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2021.09.07 08:30

樹齢380歳「お雪椿」枯死で伐採 高知・四万十町影野の「守り神」、枝は木彫り作品に

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伐採されるお雪椿(四万十町影野)

伐採されるお雪椿(四万十町影野)

 高岡郡四万十町の天然記念物だった樹齢約380年の「お雪椿(つばき)」(ヤブツバキ)が枯死し、5日に伐採された。影野地区の「守り神」として親しまれたが、樹勢回復は困難と判断されていた。今後、縁のある木工作家が伐採した枝などで木彫りの鳥を作って地区に贈るという。

 お雪椿の名は影野地区の伝説が由来。寛永(1624~44年)の頃、地区開拓者の娘、お雪と僧侶の順安が恋仲になり、順安が還俗(げんぞく)して結婚。お雪の死後、住民が生前に好んだツバキを植えて供養したとされる。

花を咲かせていた頃のお雪椿(2000年代初め、四万十町教委提供)

花を咲かせていた頃のお雪椿(2000年代初め、四万十町教委提供)

 町は1966年に天然記念物に指定。樹高約10メートルで、根元で合体した幹2本があったが、2004年と11年の台風で相次ぎ折れた。樹木医らが補強や延命に努めたものの18年に枯死と判断され、今年8月に指定は解除された。

 放置すれば道に倒れる恐れもあるため、地区住民や自然保護団体「須崎緑と水の会」が除去することに。作業には15人が集まり、根元から1メートル余りを残し切り落とした。管理を続けてきた影野上地区長、中平静男さん(75)は「寿命なので仕方ないが、枯れてきたことに早く気が付けば良かった」と残念がった。

 この日は台風被害時の枝で作品を制作したバードカービング作家、堀田幸生さん(68)=香南市野市町=も知らせを聞いて駆け付けた。作品を通じお雪椿を長く記憶してもらおうと今回も枝を譲り受けており、「かなり傷んでいるが、絶対に作品にして地元に贈りたい」と話していた。(小林司)

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