2021.07.18 08:37
かんきつ王国に夏の香り、グリーンレモン・青ユズ収穫期 高知・香南市
みずみずしく育った青ユズ=手前=とグリーンレモン(香南市香我美町山北)
室温38度のビニールハウス内。はさみを動かすのは、近森一夫さん(70)、寛臣さん(43)親子だ。一夫さんが50年前に始めた青ユズに加え、レモンも栽培。毎年計21アールで約6・2トンを収穫する。
同市内は、代名詞の「山北ミカン」のほかにも、20種類以上が栽培されている、かんきつ類の〝王国〟。JAの担当者は、「地中海性に似た気候と石灰質の土が向いているのではないか」と話す。
一時は輸入レモンに押されたものの、7、8年前から塩レモンがブームに。皮ごと使われるようになり、防腐剤を使っていない国産レモンの需要が高まった。現在出荷している東京や愛知など7都県からの引き合いが多く、県内のスーパーで見る機会は少ないという。
レモンを口に運ぶと、まろやかな酸味と豊かな風味が広がる。近森さん親子は「今年も果汁をたっぷり含んで最高の出来。これでサワーでもやったらおいしいねえ」といとおしそうに木々を見つめていた。(深田恵衣)