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2021.05.20 08:35

ひきこもり24時間支援 高知市に全国組織「エスポワール」代表・山田さんが移住

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「限界家族支援センター」を立ち上げた山田孝明さん(高知市福井町)

 全国各地で、ひきこもりの人や家族を支援する一般社団法人「市民の会エスポワール」(本部=京都市)代表の山田孝明さん(68)が高知市に移住し、新たな取り組みを始めた。山田さんは、高齢化した当事者や親が社会からの孤立や貧困に苦しみ、ぎりぎりまで追い込まれた状態を「限界家族」と呼称。そうした家族を24時間支援しようと今月、支援拠点「限界家族支援センター」(同市福井町)を立ち上げた。

 山田さんは予備校講師だった32年前に不登校の少年と出会って以来、京都、名古屋市などを拠点に訪問支援、居場所づくり、家族支援などを続けてきた。

 支えてきた当事者や家族は500人を超え、20年以上支援を続ける人も。著書も多く、近著「親の死体と生きる若者たち」(青林堂刊)では、行政などの支援が届かないまま20~30年間ひきこもった青年が親とともに高齢化する姿を描き、話題となった。

 高知県の人々との関わりは10年ほど前から。山田さんは当事者や家族に会うため、毎月のように夜行バスで来高。支援する県外の当事者が高知に移住し、県内の支援者の下で農作業に従事したこともあり、昨年には四国初の支部として「エスポワール高知」(山本美香代表)もできた。

 そんな中、「支援の選択肢が少ない地方で、新たな挑戦をしたい」と計画。当事者らには「何年も根気よく伴走し続ける支援が欠かせない」として、365日24時間態勢で相談を受け付ける「限界家族支援センター」を設立した。一人一人の事情に合った支援の在り方を模索していく。

 山田さんは「孤立した人が外の世界とつながり、自信を持てるような支援モデルを、高知の方々と一緒につくり、全国に広げていきたい」としている。

 問い合わせは同センター(080・5742・9200)へ。(早崎康之)

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