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2021.05.04 08:40

鍋島(山田高出)五輪届かず 陸上日本選手権1万メートル

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11位でレースを終えた鍋島莉奈。1万メートルの五輪切符獲得はならなかった (写真はいずれも静岡スタジアム)

 陸上の日本選手権1万メートルは3日、東京五輪代表選考会を兼ねて静岡県袋井市の静岡スタジアムで行われ、女子は広中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分11秒75で優勝、安藤友香(ワコール)が31分18秒18で2位となり、ともに五輪参加標準記録を突破し代表に決まった。山田高出の鍋島莉奈(日本郵政グループ)は32分29秒98で11位となり、五輪出場権に届かなかった。

 男子(タイムレース)は参加標準記録を既に突破していた伊藤達彦(ホンダ)が27分33秒38で制し代表入り。2位は田沢廉、3位は鈴木芽吹(ともに駒大)だった。

 女子は新谷仁美(積水化学)を含め代表3人が出そろった。男子は相沢晃(旭化成)が決定済みで残り1枠。

走りに迷い 前追えず 鍋島 5000メートルで再挑戦
 この日も鍋島らしい走りを見せられなかった。驚異的な日本新記録を出した新谷(積水化学)に屈した昨年12月の日本選手権と同じように、序盤で先頭集団から引き離された。レース後、鍋島は「いろいろなことが整理できない」。心と体がバラバラになった走りに、本人も反省点すら見いだせない、厳しい結果になってしまった。

 1万メートルで東京五輪出場切符を獲得するためのラストチャンス。順位に加え、好タイムを出さなくてはならなかったが、同僚の広中が引っ張る先頭集団に、2週目から後れを取ってしまう。遠ざかる背中を目で追いつつ、ギアを上げようとしても上げられない。「頭で分かっていても、体が付いてこない」。前方で好位置に付ける得意のレース展開に持ち込めなかった。

 2年前、1万メートルと5000メートルの世界選手権切符を獲得しながら、脚を痛めて出場を辞退した。故障を克服する戦いが続いたこともあり、「この数年、自分らしい走りができていない」と調子を上げられない日々が続いた。

 それでも昨シーズン後半からレースには復帰できていただけに、この数カ月は体の不調よりも、心の迷いが大きく影響していたようだ。

 「練習ができて、精神的な面も充実した時に結果を出せる」と言う鍋島。ここ最近は自分を見失い、「どうやって走ってきたのかすら分からない。正直、今は光が見えない」と肩を落とした。

 五輪代表権獲得のチャンスは、6月下旬に行われる日本選手権での5000メートルのみとなった。「今の自分にできることをやっていきたい」。懸命に前を向いた。(吉川博之)

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