2025.06.13 08:30
【動画】色と香りの重奏 セビーチェとカウサ ペルー→インドネシア 多文化 味なリレー(3)
作ってくれた人 鈴木パトリシアさん(高知市)
高知県内で暮らす、さまざまな文化にルーツを持つ人たちに毎月1回、思い出の料理を作ってもらう「味なリレー」。今回は南米ペルーの魚料理「セビーチェ」とポテト料理「カウサ」。さてさてどんな味?――。
6月初め。高知市の朝倉神社そばの小さなキッチン。木机に大ぶりのタイの白身が置かれ、鈴木パトリシアさん(61)=同市=が包丁を入れていく。新鮮な白身魚が手に入るよう、数日前からなじみの店に頼んでいたそうで、切り分けられた身は輝き、ぶりんぶりんしている。隣で夫の和広さん(70)がせっせとライムを搾り、果汁をタイにあえると、ふわっと香りが広がった。

セビーチェとカウサを振る舞う鈴木パトリシアさん(右)=写真はいずれも高知市朝倉丙の神楽田ファミリア
鈴木さん夫妻はそろってペルーの手織り物で飾ったエプロン姿。アヒ・アマリージョと呼ばれる黄トウガラシ、紫タマネギやトウモロコシ、香草など、食卓は色であふれている。
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パトリシアさんは1963年秋、首都リマで生まれた。3歳の頃、農業指導に携わる公務員だった父の転勤で、一家はアンデス山脈にあるワンカヨに引っ越している。標高3300メートル超の高原都市で、リマからは鉄道などで4800メートル超の峠を越えていかなければならない。「高山病で頭が痛くなり…大変でした。お父さんがとても心配していました」と振り返る。
ワンカヨでは、…




















