自転車事故防ぐためヘルメット持って　高知県立校で「義務」に

2024.05.22 05:00

自転車事故防ぐためヘルメット持って　高知県立校で「義務」に

高知新聞社

下校する高校生たち。ヘルメット着用者はほとんどいない（高知市追手筋２丁目＝新田祐也撮影）

　高知(こうち)県(けん)教育(きょういく)委員会(いいんかい)は２０２５年度(ねんど)の高知(こうち)県立(けんりつ)校(こう)の新入生(しんにゅうせい)から、自転車(じてんしゃ)通学生(つうがくせい)にヘルメットの所有(しょゆう)を義務付(ぎむづ)ける方針(ほうしん)を決(き)めました。高校生(こうこうせい)の着用(ちゃくよう)率(りつ)が伸(の)び悩(なや)んでいるため、まずはヘルメットを自分(じぶん)の物(もの)として持(も)ってもらい、着用(ちゃくよう)への流(なが)れをつくるねらいです。県教委(けんきょうい)は「着用(ちゃくよう)していれば重大(じゅうだい)事故(じこ)とならなかったものがたくさんある。かぶることを当(あ)たり前(まえ)にして、命(いのち)を守(まも)りたい」としています。

　高知(こうち)県警(けんけい)によると、２０２３年度(ねんど)の県内(けんない)高校生(こうこうせい)の自転車(じてんしゃ)事故(じこ)は４０件(けん)起(お)きました。死者(ししゃ)はゼロ、けが人(にん)は３９人(にん)。ただ、県警(けんけい)があつかっていない事故(じこ)もあり、学校(がっこう)活動(かつどう)での保険(ほけん)給付(きゅうふ)を行(おこな)っている「日本(にほん)スポーツ振興(しんこう)センター」によると、県内(けんない)の２０２３年度(ねんど)の自転車(じてんしゃ)事故(じこ)の届(とど)け出(で)は１０１件(けん)ありました。

　１０１件(けん)のうち５７件(けん)は、額(ひたい)を切(き)ったり、歯(は)を折(お)ったりという頭部(とうぶ)のけが。県教委(けんきょうい)によると、流行(りゅうこう)のクロスバイクに乗(の)る生徒(せいと)がスピードを出(だ)し過(す)ぎて転(ころ)んだり、ハンドルや肩(かた)にかけていたバッグが前輪(ぜんりん)にはさまって転(ころ)んだりの事故(じこ)が目立(めだ)つといいます。

　高知(こうち)県(けん)は２０１９年(ねん)４月(がつ)に「自転車(じてんしゃ)安全(あんぜん)条例(じょうれい)」を施行(しこう)し、１８歳以下(さいいか)の子(こ)どもが自転車(じてんしゃ)に乗(の)るときにヘルメット着用(ちゃくよう)をうながすよう保護者(ほごしゃ)らに求(もと)めました。日本(にほん)全体(ぜんたい)でも、昨年(さくねん)４月(がつ)に「改正(かいせい)道路(どうろ)交通法(こうつうほう)」が施行(しこう)され、何(なん)さいでも自転車(じてんしゃ)に乗(の)るすべての人(ひと)にヘルメット着用(ちゃくよう)が努力(どりょく)義務(ぎむ)化(か)されています。

　しかし、着用(ちゃくよう)率(りつ)は今(いま)も低調(ていちょう)なまま。県教委(けんきょうい)が昨年(さくねん)１０～１１月(がつ)、高知(こうち)県立(けんりつ)３７校(こう)の生徒(せいと)に行(おこな)ったアンケートでは、自転車(じてんしゃ)通学生(つうがくせい)のうちヘルメット着用(ちゃくよう)はわずか１５％。実(じつ)に８５％が着用(ちゃくよう)しておらず、理由(りゆう)は「持(も)ってないから」（３０％）が１位(い)。「義務(ぎむ)ではない」（２１％）、「周(まわ)りの生徒(せいと)が着用(ちゃくよう)していない」（１７％）と続(つづ)きました。

　こうしたことから、県教委(けんきょうい)は着用(ちゃくよう)率(りつ)向上(こうじょう)を目指(めざ)して、２０２５年度(ねんど)以降(いこう)の新入生(しんにゅうせい)については、ヘルメット所有(しょゆう)を自転車(じてんしゃ)通学(つうがく)の条件(じょうけん)に定(さだ)めます。

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