2024.04.03 08:35
観光馬車馬「由美子」デビュー 唐人駄場園地で初イベント 土佐清水市
桜満開の唐人駄場園地で子どもたちを馬車に乗せて進む「由美子」(写真はいずれも土佐清水市松尾)
土佐清水市松尾の唐人駄場園地で2日、馬の養老所「あしずりダディー牧場」の所有馬「由美子」が馬車を引っ張る初のイベントが行われた。満開の桜の下、馬車は園地をゆらり、ゴトゴト進み、幼稚園児らを喜ばせた。
由美子と記念撮影する子どもら
ブルトン種の由美子は、体高約2メートル、体重約900キロの12歳。大月町で食用として飼育されていたところ、牧場を経営するNPO法人「あしずりダディー牧場命の会」の代表理事、宮崎栄美さん(65)がクラウドファンディングを活用し購入した。
宮崎さんは「土佐清水のために貢献させたい。観光馬車なら、この子が生きていける」と考え、20年1月からの1年半、北海道幕別町で馬車を引く調教を受けさせた。
しかし、由美子はその後、脚のけがで一時療養を余儀なくされた。県外から獣医師を呼ぶなどして22年春、再び歩けるように。昨年12月には、調教師の宮田朋典さん(52)=宮崎県=らを招き、馬車馬として4日ほど訓練した。
「由美子は少し気の強い性格。北海道の調教のことは、すぐに思い出したようでした」と宮田さん。3月末に再び来高し、最後の調整を行った。
お披露目となったこの日、由美子は午前中から元気いっぱい。宮田さんらが普段あまり接することのない大勢の人に興奮し過ぎることがないよう、徐々に環境に慣らしていった。
しみず幼稚園の園児や市関係者ら約100人を次々と馬車に乗せ、園内をぐるりと周回すると、「気持ちいい」「最高やねえ」と歓声が上がっていた。
宮崎さんは「事故なく安全に終わってほっとした。お待たせしていた観光馬車としての第一歩が踏み出せた」とにっこり。観光馬車の実施には、馬を調教・制御できる人材の確保が課題だが、「これから土佐清水のマスコットとして、観光資源になるような取り組みにつなげたい」と話していた。(山下正晃)