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2024.02.24 08:00

【侵攻から2年】ウクライナ支援継続を

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 ロシアがウクライナに侵攻を開始して24日で2年になる。戦闘終結の兆しは見えない。長期化で犠牲者が増え続け、社会インフラの破壊が生活を厳しくする。国家主権を踏みにじる行為は容認できない。早期の停戦と撤収に向けた国際社会の取り組み強化が求められる。
 ウクライナは短期掌握を狙うロシア軍を徹底抗戦ではね返し、昨年6月には反転攻勢を開始した。しかし、奪還は進まなかった。ロシアは年明けから大規模攻撃に転じ、ウクライナ軍が精鋭部隊で死守してきた東部ドネツク州の州都に近い要衝アブデーフカを制圧した。ロシアは支配地域を拡大する構えだ。
 欧米では支援疲れが指摘される。パレスチナ自治区ガザへのイスラエル軍の侵攻はウクライナへの関心を分散させた。世論の風向きも変わってきた。米議会ではウクライナ軍事支援の予算案が停滞している。武器や弾薬の供与が遅れ、前線では物資の制約を強いられている。ロシアは北朝鮮やイランから兵器調達をして増強する。違いは鮮明だ。
 ゼレンスキー大統領はワレリー・ザルジニー軍総司令官を解任して立て直しを図る。しかし、ザルジニー氏は軍内部の信頼が厚く、国民の人気も高い。軍の士気や国民の結束が緩むのではないかと懸念される。
 徴兵逃れの賄賂や贈収賄事件も発覚している。汚職対策は欧州連合(EU)加盟への課題であり、支援のつなぎ留めに不可欠だ。
 軍事、財政支援の行き詰まりは戦局に極めて重大な影響を与えている。プーチン大統領は、併合した南部クリミア半島や東部・南部4州を支配したままの停戦をもくろんでいるとされる。戦況を有利にして、その思いは強まっているはずだ。
 西側諸国はプーチン氏を利する停戦には踏み込みにくいが、一方で停戦を含めた新たな戦略を求める意見が出ている。和平交渉の可能性を探っているとの見方も伝わった。
 こうした中、ロシアの反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄中死に欧米は反発し、対ロ制裁を強める方向だ。一段の関係冷却化は必至で、先行き不透明感を強める。
 3月のロシア大統領選はプーチン氏の5選が確実視されるが、戦果誇示へ攻勢を強めるとみられる。被害が拡大しかねない。国連安全保障理事会の機能再生は望みにくいが停戦への結束した行動が必要だ。
 ロシアは北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大を求めたが、中立政策を掲げた北欧2カ国が侵攻でNATO加盟へと向かった。自らが勢力図を変え、世界の分断と対立を広めてしまった。
 武器提供ができない日本は、知見と技術力を生かして経済復興に貢献する。「日ウクライナ経済復興推進会議」が先ごろ東京都内で開かれ、地雷対策やがれき処理、農業の発展などの分野に取り組むことで合意した。ただ、現地情勢が落ち着かなければ支援は本格化できない。各国との連携を強めながら、支援の在り方を探っていきたい。

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