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2024.02.21 08:00

【文科相不信任案】否決で終わりではない

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 説明責任を果たさないことが、国会の審議を制約する要因となっている。疑惑を軽んじてはならない。解明が不可欠だ。
 衆院は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連団体との関係が指摘される盛山正仁文部科学相の不信任決議案を否決した。
 盛山氏は2021年の衆院選で、教団関連団体から選挙支援を受けた疑いが持たれている。自民党が22年9月に公表した調査では、関連団体の会合に本人が出席し、あいさつしたとする。それとは別の新たな接点の浮上に、宗教行政を所管する文科相としての資質が問われた。
 宗教法人を所管する文科省は昨年10月、東京地裁に教団の解散命令を請求している。教団は争う姿勢を示す。不信任案を提出した立憲民主党は、盛山氏が疑念を抱かれずに公正な審理を進めることは不可能だと主張した。
 不信任案が提出されたのは、与党を批判するちょうど良い材料になったからだとの見方を盛山氏は示す。政治日程を意識した与野党の駆け引きの側面を言いたいのだろう。
 不信任案提出で予算委の質疑は中断された。24年度予算案を年度内成立させる審議日程は窮屈になってきた。対決姿勢を強める野党は、政治資金パーティー裏金事件を受けた政治倫理審査会の開催へ自民の譲歩を引き出したい思惑もある。
 だが、そもそも問題を長引かせているのは盛山氏の説明が不十分なことにある。そのことを真剣に受け止める必要がある。推薦確認書に「サインしたかもしれない」「記憶にない」などと一貫性を欠く答弁を重ねてきた。教団との関係は解明されていない。審議停滞の責任を野党に押しつけるのではなく、自らの姿勢を省みることだ。
 岸田文雄首相は、盛山氏の任命に関し、過去の関係はともかく、現時点で教団側とは一切関係がないことを前提としたと述べ、続投させる考えを示す。不信任案は否決されたが、疑念はくすぶっている。説明責任をないがしろにするようでは不信感は拭えはしない。
 予算委の取りやめで24年度予算案の審議日程はずれこみ、採決をにらんだ攻防は裏金事件の解明も絡めて厳しくなっている。野党は審議日程でけん制しながら、政倫審の開催を迫る。首相は開催の調整を指示している。自民は政倫審と引き換えに、予算案の自然成立が確実な3月2日までの採決を目指す。
 野党は、派閥からの還流を政治資金収支報告書に記載しなかった現職82人のうち全ての衆院議員51人の出席を要求する。これに対し、本人の意向を踏まえて判断するとした自民は、安倍派と二階派の2氏の出席を野党側に伝達した。注目された幹部の出欠は固まらず、野党は不十分と反発している。
 予算審議は、能登半島地震の復旧・復興とも関係する。先延ばしは避けなければならないが、政治不信の解消にも努める必要がある。向き合い方が見られている。

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