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2024.02.20 05:00

【ナワリヌイ氏】死亡の真相解明が不可欠

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 ロシアのプーチン政権批判を投獄されても続けた人物の突然の死だ。権力支配を強める政権が政敵排除に動いたのではないかと疑念が向けられる。死亡した状況を明らかにして疑惑を解消する必要がある。
 反政府活動家で、服役していたアレクセイ・ナワリヌイ氏が収監先の北極圏にある刑務所で死亡した。死因について当局は「突然死症候群」と説明する一方、遺体の引き渡しに応じる姿勢は見せない。
 ナワリヌイ氏は2020年、ロシア国内で毒殺未遂に遭っている。翌年に療養先のドイツから帰国した直後に拘束された。過去の経済事件や寄付金詐取などを理由に有罪判決を受けたほか、昨年8月には過激派団体を創設したとして新たに懲役19年を言い渡されている。
 昨年12月にモスクワ近郊から北極圏の刑務所へ移送された。過酷な環境下での劣悪な扱いが懸念された。刑務所当局は、ナワリヌイ氏は散歩後に気分が悪くなり、直後に意識がなくなったと説明する。
 ナワリヌイ氏は独自調査でプーチン政権や与党幹部の汚職、不正蓄財を指弾し、公然と反政権を訴えてきた。13年のモスクワ市長選では2位となった。しかし、18年大統領選は中央選挙管理委員会に立候補申請を却下されている。政権の意に沿わない人物を排除するようでは選挙の公正は成り立たない。
 プーチン大統領は事実上24年以上も政治の実権を握り続けている。3月の大統領選は通算5選を目指すプーチン氏の勝利が確実視される。
 ウクライナ侵攻に反対する立場から、ナデジディン元下院議員は立候補を目指した。だが、中央選管は必要な有効署名を集めていないとして候補者登録を拒否した。
 ウクライナ侵攻への批判は根強くある。プーチン氏の支持率は高いが、反対意見が結集して得票率を前回より下げては強さのアピールが弱まり、今後の政権運営に影響しかねない。それを避けるための措置と見られても仕方ない。
 強権支配を強めるプーチン政権に対し、ナワリヌイ氏は獄中からもメッセージを発し、反政権運動の指導的役割を担っていた。大統領選では、投票日の正午に投票所に並び反対票を投じるように呼びかけた。こうした動きを警戒し、ナワリヌイ氏陣営への締め付けを強めていた。
 欧米各国から非難が上がる。プーチン政権に反対する人物の不審死が相次ぐことが背景にある。
 野党指導者ネムツォフ元第1副首相は15年に暗殺された。大統領選への出馬が認められなかったナデジディン氏が顧問を務めた人物だ。ウクライナ侵攻に参戦し、武装蜂起した民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏は昨年8月に搭乗機墜落で死亡している。ほかにも批判者の毒殺や襲撃が報告される。
 ロシア各地でナワリヌイ氏を追悼する市民が後を絶たない。これに対し無許可の街頭行動として拘束も起きている。各国の批判や市民の思いに真剣に向き合う必要がある。

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