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2024.02.15 08:00

【自民裏金事件】疑問晴れぬ形だけの調査

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 政治資金の透明性を確保する方策をいかに整えるかが問われている。形ばかりの取り組みでやり過ごそうとしては、かえって政治不信を強めてしまう。問題との向き合い方が注視されていることを真剣に受け止める必要がある。
 自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた全所属議員アンケートの結果を公表した。
 2018~22年に政治資金収支報告書への不記載があったのは85人で、多くを安倍派が占める。総額は約5億7949万円となり、1千万円を超えた議員は20人に上った。
 資金還流について、安倍派を念頭に「一部派閥が報告書に記載しないように指導していた」とする。会計士の監査で不正を指摘された例もあった。それでも改めるほど問題視はしなかったようだ。
 正しく記載していれば問題はなかったとの意見が自民内から上がる。ごく少数であれば、事務的ミスとの釈明も受け入れられるかもしれない。しかし、これほどになると意図的に資金の抜け道としたとみるのが自然だろう。
 アンケートは還流に関し、収入記載漏れの有無と、あった場合は年ごとにその額を記入する2問にとどまる。どのような経緯で始まり、なぜ多額の裏金が必要か、何に使ったのかなどは質問事項にない。そこに触れないまま、不信の解消や再発の防止ができるとは思えない。
 岸田文雄首相は説明責任を果たす必要性を繰り返し、党としての処分方針にも言及している。ただ、野党が開催を求める政治倫理審査会には慎重姿勢を崩さない。
 首相は今国会での政治資金規正法改正を打ち出した。また、派閥を含む政治団体に外部監査を義務付ける法整備に意欲を示している。
 自民では透明性確保へ、外部監査の義務付けやパーティー券代金の銀行振り込み徹底などを検討する。また、会計責任者が逮捕、起訴された場合に議員も処分できる党則改正も浮上している。
 しかし、規制や罰則の強化にどこまで踏み込むのかは判然としない。一部には早くも後ろ向きな雰囲気さえ漂っているようだ。これでは改革への本気度が疑われ、政治不信の払拭は遠のく。
 国会では、首相就任を祝う会を主催した任意団体が、収益の一部とみられる多額の資金を首相の関連政治団体に寄付していたことが取り上げられる。首相は政治資金パーティーには当たらず収支の記載義務はないとの見解だ。
 これに対し、収益目的で脱法的との指摘もある。認識の違いが生じるのは制度の不備を浮かび上がらせ、修正の必要性を示している。
 議員が連帯責任を負う連座制を規正法に導入する意見は、自民内部からも出ている。首相は課題を挙げながら、制度の悪用防止を議論する必要性を指摘した。そうした側面があるのならば、回避する方策を探ればいい。議論に向けた積極的な役割が求められる。

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