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2024.02.11 08:00

【能登の住宅倒壊】高知も耐震化を急ぎたい

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 最大震度7を観測した能登半島地震で、古い住宅の倒壊と、それによって亡くなった住民の多さが際立っている。
 1980年以前に建てられ、現行の耐震基準が導入されていない住宅は、阪神大震災や熊本地震などでも倒壊が相次ぎ、問題になってきた。そのリスクを再認識させられるかたちとなった。
 地方、特に郡部は人口減少や高齢化が進んでいるのもあって、住宅の耐震化が遅れているのが現実だ。しかし地震列島の日本では、これを改善していかないことには同じ悲劇が繰り返される恐れがある。
 南海トラフ地震が想定される本県も例外ではない。家々が軒並みつぶれた能登の光景は、未来の本県の姿かもしれない。住宅の耐震化を一段と加速したい。
 警察庁によると、能登半島地震で調査した先月段階の死者222人のうち、死因で最も多かったのは、倒れた建物の下敷きになるなどした「圧死」で、92人(41%)に上った。「窒息・呼吸不全」も49人(22%)いた。また年齢が判明した犠牲者の7割超は60代以上だった。
 石川県内では、県の集計で判明しただけで6万棟超の住宅が損壊。このうち被害が大きかった珠洲市では全壊が3600棟を超え、輪島市でも2千棟以上が全壊した。
 その多さは耐震化率の低さと無関係ではないだろう。耐震化率は、81年以降に建てたか、耐震改修工事を行った住宅の割合を示す。全国平均は87%だが、珠洲市は51%、輪島市は45%にとどまっていた。
 両市を含め能登地方は高齢化が進んでいる現状もある。耐震性が低い、古い住宅が倒壊し、古い住宅に住んでいる場合が多い高齢者が犠牲になる。地震災害の一つの現実といってもよいだろう。
 高齢化が進む地域でいかに耐震化を進めるか。能登半島地震はそれが地方の地震防災の大きな鍵であることを改めて示している。
 大きな手段といえるのが、やはり古い住宅の耐震改修工事である。いまでは補助金制度の拡充や工事の低コスト化が進み、耐震化率が全国的に上昇しつつある。
 高知県内は88%で、2008年度が70%だったことを考えると、一定進んだ印象がある。ただ、新しい建物が比較的多い高知市などと郡部では差があるのも事実だ。
 また県は耐震改修促進計画で、25年度の耐震化率の達成目標を93%とするが、現状と5ポイントも開きがある。南海トラフ地震を見据え、より積極的な促進が求められる。
 県内の耐震改修工事費の22年度平均額は163万円で、補助金で大部分をまかなえるようになってきた。それでも自己負担はあり、大きな家になれば費用も増す。高齢者には手続きへの不安も大きく、古い賃貸住宅に住んでいる人も少なくない。
 取り組むべき課題や啓発活動はまだ多い。能登半島地震の被災地を支援しつつ、足元をしっかりと見詰めていく必要がある。

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