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2024.02.09 08:00

【米大統領選】内外の分断を懸念する

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 米大統領選が本格化している。共和党に続き、民主党の候補指名争いもスタートした。11月の本選で共和党のトランプ前大統領、民主党のバイデン大統領が再対決する公算が強まっている。
 次期大統領に誰が当選するかは米国はもちろん、国際社会の行方にも大きな影響をもたらす。当然、日本も例外ではない。選挙戦を通じて両者の方向性をいま一度見極め、安定した日米関係を維持できるよう備えを進める必要がある。
 共和党ではトランプ氏が予備選で圧勝を続け、指名獲得へ大きく前進した。熱狂的な支持層も健在で、党穏健派や無党派層の支持を受ける対抗馬のヘイリー元国連大使は瀬戸際まで追い込まれた格好だ。
 各州で予備選などが進められ、7月の党大会で候補が正式に指名されるが、トランプ氏にとっての懸念材料はむしろ、指名争いの「場外」にあろう。
 トランプ氏は2021年の連邦議会襲撃事件を引き起こしたとして起訴されるなど刑事、民事の裁判を複数抱えている。出馬資格剥奪の恐れもある中、起訴を逆手にとった劇場型の選挙戦を展開している。
 一方、バイデン氏も現職の強みを発揮し、民主党候補指名争いの初戦から連勝してみせた。
 ほかに有力な対抗馬はおらず、8月に開かれる党大会での指名獲得が確実視される。各州の予備選などが集中する3月の「スーパーチューズデー」を前に、民主党内での関心は本選の行方に移っているといってよい。低迷する支持率の回復が再選への鍵を握る。
 むろん、別候補が勢いを得て頭角を現したり、二大政党とは一線を画した第3の候補が出現したりする可能性はある。ただ、現時点では両者が最有力の候補であり、20年大統領選の再現が現実味を帯びつつあるのは確かだろう。
 1期4年の実績があるだけに、それぞれの政策はイメージしやすいとはいえ、どちらが当選するかによって、振れ幅はかなり大きい。
 バイデン氏が再選した場合、日米関係は現状の延長線上が想定されよう。地球温暖化対策でのパリ協定復帰や、欧州と歩調を合わせたウクライナ支援などが示すように、国際協調や同盟関係を重視した外交を展開するのではないか。
 かたやトランプ氏の復権となれば、再び国際社会が「米国第一主義」に振り回されることになりかねない。トランプ氏は日本を含めた全ての輸入品に一律10%、特に中国からは60%の高関税を課す考えが伝えられる。
 同盟国にも安全保障をカードに「取引」を迫ったり、国際社会の亀裂が広がったりする懸念が膨らむ。温暖化対策など地球規模の課題へも影響は必至だろう。
 既に両陣営は中傷合戦の様相をみせ、米国社会の分断の深刻さがあらわになっている。米国との関係に重きを置く日本の外交も、したたかで現実的な対応が求められる。

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