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2024.02.02 08:00

【トヨタ不正拡大】企業風土の改善急げ

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 華々しい業績とは裏腹に、足元は大きく揺らいでいる。企業統治の在り方や体質改善を急がなければ、世界トップの巨大企業であっても岐路に立つことになりかねない。
 トヨタ自動車グループの豊田自動織機で、エンジンの認証不正問題が拡大した。新たに自動車用ディーゼルエンジンの出力試験でも法規違反が見つかり、トヨタは搭載車の出荷を停止した。国土交通省は工場の立ち入り検査を実施し、大量生産に必要な「型式指定」の取り消しなど行政処分を検討する。
 グループの源流で中核企業でもある同社は昨年3月、フォークリフトや建設機械用のエンジンについて、排ガス性能試験でデータ改ざんがあったと公表。道路運送車両法に基づき、エンジン2機種の型式指定を取り消されていた。
 新たな不正は外部有識者でつくる特別調査委員会の調査で、自動車用を含むエンジン計10機種で見つかった。出力試験の際に、燃料の噴射量を調整して性能が良くなるように見せかけていた。車の大量生産や販売に不可欠な認証制度の信頼に関わる問題といえる。
 トヨタは「ランドクルーザー」や「ハイエース」などディーゼルエンジン搭載車10車種の出荷を停止。相手先ブランドによる生産(OEM)で供給を受けるマツダ、日野自動車にも影響が及んだ。エンジンの出力性能が出荷基準値を満たしていることは確認したとしている。
 トヨタグループでは2022年に日野自動車で検査不正が発覚して以降、認証制度に関する不祥事が相次いでいる。
 完全子会社のダイハツ工業は昨年末から、大規模な品質不正で全ての国内生産を停止中。近く一部の生産を再開することになったとはいえ、型式指定取り消しやリコール、取引先への補償など影響の広がりはいまだに見通せない。
 これらの不正には共通点がみられる。各社の調査報告書をみると、ダイハツではトヨタからの生産委託拡大、豊田自動織機でもディーゼルエンジンの供給量増加に伴って不正が広がっていた。
 短期での開発やコスト削減を迫られ、認証部門が機能不全に陥った状況も似通う。相次ぐ不正の背景に、トヨタグループの世界戦略やグループ統治の在り方を指摘せざるを得ないだろう。
 トヨタは効率を徹底的に追求した生産方式で知られ、その積み重ねが23年まで4年連続の世界販売台数トップにつながった。しかし、拡大路線の中でグループ各社との関係にひずみが生まれ、拡大していったのではないか。その過程で利益や効率が最優先になっていたのなら、顧客の信頼に対する裏切りといえる。
 トヨタの豊田章男会長は記者会見で、責任者として「変革をリードする」と企業風土の改善に取り組む姿勢を強調した。自動車業界はいま、電動化や自動運転の波が押し寄せ、「100年に1度」の変革期を迎えている。対応を急ぐ必要がある。

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