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2024.01.31 08:00

小社会 芋の郷土

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 サツマイモが好きで、旅先の店でもよく目が向く。つい袋買いをしてしまう時もある。荷物になるが、それぞれの地にそれぞれ自慢の芋があり、見た目も食味も違うから面白い。

 研究者の山川理さんによると、西日本ではずんぐりした紡錘(ぼうすい)形、東日本では割って食べやすい細長タイプが好まれやすいという。芋を巡る文化や歴史の違いが理由の一つらしい。

 九州ではでんぷんや焼酎に加工されるため、収穫や洗う際に折れやすい細長い芋は敬遠されてきた。高知などでも「細長い品種ではいもけんぴが作りにくい」のだという(著書「サツマイモの世界 世界のサツマイモ」)。

 要するに西日本では芋と加工は不可分というわけだ。一昨日の本紙記事もそれを物語る。県内各地の干し芋や芋餅など芋菓子が紹介されていた。その多彩さや地域のこだわりに、高知で芋がいかに親しまれてきたか分かる。

 芋への熱意は品種育成の歴史にも感じる。1945(昭和20)年、当時の県農事試験場が、後に西日本の代表品種となる「高系14号」を生み出した。徳島の「鳴門金時」や石川の「五郎島金時」、九州の「宮崎紅」も、これが現地でブランド化されたものという。高知は生産量こそ九州や関東に比べ少ないが、芋の文化や歴史には誇りを持ってよいのでは。

 冬はほっかほかの焼き芋やふかし芋も外せない。そうだ、芋てんもあるじゃないか。郷土は芋好きにはたまらない。

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