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2023.10.06 08:00

小社会 参院補選告示

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 「補欠」という響きはどこか切ない。欠けるを補う、と字面通り素直に捉えればよいのに、「補欠選手」「補欠合格」といった印象が先立つからか。2番手、格落ち感を覚えてしまう。

 選挙も例に漏れない。突発事案があった時に急きょ行われる補選は、陣営も民意も急ごしらえを余儀なくされる。たとえ国政選挙でも、存在がかすんでしまいがちだ。

 ただ、補選で国政デビューした政治家が、大きな影響力を持つようになった事例も少なくない。例えば、元自民党幹事長の野中広務氏は1983年の衆院補選で初当選した。当時57歳。「出る勇気はなかった」(回顧録)中で口説かれ、後に「陰の首相」とも言われた。

 本県で言えば、74年の参院補選。自民現職の浜田幸雄氏が急逝し、代わりに林迶(ゆう)氏がバッジを着けた。林氏は党公認を得るのに苦しんでいたが、補選が運命の転機になり、後に労相まで務めた。

 参院徳島・高知区補選が告示された。前職の暴行事件が発端だけに冷めた空気が指摘される。だが、その結果は確実に何かにつながる。「補欠」の響きに惑わされず、一票を大事にしなければ。

 全国的には、政権評価の貴重な機会として補選の注目度は高いようだ。合区選挙のいびつさや難しさを広く訴える好機でもある。合区で両県民が欠くことになった、政治への関心やプライド。それが補われるためのステップになる補欠選挙でもありますように。

高知のニュース 小社会 2023参院補選 高知/徳島

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