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2023.08.13 08:38

平和な世に現れる...麒麟像にノミ入れ  高知市の薫的神社、戦没者遺族ら20人

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麒麟像となる木材にノミを入れる県遺族会員の孫と、仏師の吉田安成さん(高知市の薫的神社)

麒麟像となる木材にノミを入れる県遺族会員の孫と、仏師の吉田安成さん(高知市の薫的神社)

 平和な世に現れるという「麒麟(きりん)」の像が高知市洞ケ島町の薫的神社に奉納されることになり、戦没者遺族ら約20人が11日、同神社で「ノミ入れ式」を行った。制作を手掛けるのは香南市夜須町の仏師、吉田安成さん(48)。戦後80年となる2年後の完成を目指す。

 ロシアによるウクライナ侵攻の終結が見通せない中、宮司の中地英彰さん(47)が平和を祈念する像の制作を企画した。

 この夏、日本は戦後78年。明治維新から終戦までの77年間を超え、戦争体験者が少なくなっていることから、「戦没者遺族にも造像に加わってもらい、神社も平和の大切さを語り継いでいきたい」と県遺族会にノミ入れを依頼した。

 この日は大石綏(よし)子会長(78)ら県遺族会の会員10人と、その孫の小学生らが参加。神事の後、吉田さんの手ほどきを受けながら、麒麟の絵が下書きされた県産のケヤキ(横315センチ、縦45センチ、厚さ21センチ)に一人一人がノミを打ち込んだ。

 完成は2年後の予定で、「麒麟像が完成するまでにはウクライナに平和が訪れていてほしい」と大石会長。吉田さんは「戦後80年の節目に向け、平和への祈りを込めて丁寧に像を彫っていきたい」と話していた。(早崎康之)

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