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2023.07.29 08:00

小社会 「迷会見」

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 コンプライアンス違反がすぐに炎上する時代。企業にとって「上手な謝罪」はもはや危機管理の必須スキルだ。謝罪会見次第ではピンチがチャンスに転じることも。だがしくじれば、燎原(りょうげん)の火のごとく…。

 保険金不正請求で揺れる中古車販売ビッグモーターのそれは、典型的な後者だった。社長いわく、現場がやった。経営陣は知らない。現場を告訴する。極め付きは、ゴルフボールで車を傷つけた行為が「ゴルフを愛する人への冒瀆(ぼうとく)」だとか。

 謝罪の基本は「誰に、何を謝るか」が明確であることという。自らの責任を棚上げして被害者然と振る舞う姿は、コントのようですらあった。他の内容も突っ込みどころが多く、危機管理の専門家らからは「歴史に残る迷会見」との声が出る。

 もっとも、会見がお粗末なだけならまだいい。問題は謝罪対象となった行為、体質だろう。不正請求のみならず、「内部告発の改ざん」「部下の生殺与奪権」「街路樹に除草剤」…。こちらももう、キーワードだけで紙幅が埋まる。

 大手損保会社が、不正を把握していたとも報じられる。見えているのはまだ氷山の一角か。素人にとって、自動車整備は店任せだ。不信感を抱かせた罪は重い。

 同社は高知市にも2店を構えており、ともに不正への関与を否定した。きのう片方の店の前を通ると、従業員の姿が見えた。彼らは会見をどう見たのだろう。今どんな思いで働いているのだろう。

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