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2023.06.05 08:00

小社会 大風呂敷

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 兄貴分として通る世話好きな男のところに、知り合いの女房が駆け込んできた。聞けば、近所の男を家に上げて話していると、遅くなるはずの亭主が帰宅。とっさに男を押し入れに隠したのだとか。

 浮気を疑われてはたまらないと、女房が助けを求めに来たわけだ。一計を案じた兄貴分。早速、風呂敷を手に夫婦の家へと向かう。滑稽噺(ばなし)「風呂敷」の冒頭である(立川志の輔選「古典落語100席」)。

 兄貴分が亭主の目くらましに使った1枚の風呂敷。前に「大」の1文字が付くと、何となく語感が怪しくなる。「次元の異なる」と付いた岸田首相肝いりの少子化対策はそうでなければいいのだが。何せ、財源の裏付けがいまだに見えてこない。

 政府の素案だと来年度から3年間、追加予算を上積みして年3兆5千億円を確保。2030年代初頭に子ども予算を倍増させる。ただ安定財源を5年後までに確保とは、どこまで当てにできる話やら。

 永田町の周辺では、解散風が強まりつつあるようだ。どうなるかは結局、岸田首相の胸一つ。今のところ、うかがい知ることはできないものの、子ども予算に関しても解散・総選挙を前にした「ばらまき」「負担隠し」といぶかる声が聞こえる。

 大きく広げた風呂敷も、裏付けなしでは風にあおられ飛んでいってしまうかも。夫婦円満のためにけむに巻かれるならまだしも、選挙の後になって負担増では笑えない落ちになる。

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