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2023.04.24 08:00

小社会 小さくても

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 4年ほど前、北欧アイスランドの駐日大使だったエーリン・フリーゲンリングさんが来高し、当時の尾﨑正直知事と対談した。その様子を本紙で興味深く読んだのを覚えている。

 アイスランドは小さくてもキラリと光る国といっていいだろう。人口はわずか37万人ほどだが、漁業や観光業が盛んで、「1人当たり国民総所得」では日本を大きく上回る。

 何より世界で最も男女格差の少ない国として知られる。国会議員も男女が半々に近い。「男女ともに育児、仕事、休暇の楽しみを分かち合うことが大事」と話した大使。アイスランド社会の「豊かさ」が感じられる言葉だった。

 もっとも昔からそうだったわけではないようだ。1975年、給与格差や人権問題に全国の女性が「もう我慢できぬ」とストライキ。社会が変わるきっかけになったらしい。

 政治への関心もかなり高い。ジャーナリストの鐙(あぶみ)麻樹さんによると、昨年の地方選挙では、選挙権のない中学生もグループで候補者たちにインタビューし、動画投稿サイトで紹介した。「子どもや若者は国の未来だから、政治家やメディアが必死に耳を傾けようとするのは普通」だという(季刊「社会運動」№447)。

 小さくても、人々の高い意識や行動力によって豊かさに磨きをかけてきたのだろう。高知県も人口は67万人を割り込んだが、希望はあるはずだ。統一地方選が終わった。地域づくりの再スタートである。

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