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2023.02.09 08:45

高知県内企業にトレーニングジム続々 「健康経営」を意識 社内交流も活発に

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少人数のグループに分かれ、体を鍛える高知信金の職員(高知市春野町弘岡下)

少人数のグループに分かれ、体を鍛える高知信金の職員(高知市春野町弘岡下)

 企業が従業員の健康増進に取り組む「健康経営」が注目される中、高知県内でも従業員向けのトレーニングジムを自社で構える企業が増えてきた。「筋力、体力、気力がアップ」「他部署との意思疎通がスムーズになった」と働く側は総じて歓迎ムード。従業員がもっと健康になれば、業績だってもっと上がるはず―。

 「お疲れさま~」。平日の夕方。高知信用金庫本部(高知市)の敷地にそびえるバックアップセンター。その2階に、仕事を終えた職員がスポーツウエア姿で集まってきた。

 約160平方メートルの空間を生かし、同金庫が1300万円で買いそろえた真新しいトレーニング機器が並ぶ。2月中に全職員を対象に本格オープンする予定。火、水、金曜日の終業後と土曜の終日、日曜の午前中に職員に開放する。

 もちろん利用無料。専属トレーナーを1人配置し、トレーニングと食事を指導する徹底ぶりだ。ダンベルを上げていた職員の一人は「通っていたジムは遠くてやめた。仕事帰りにすぐ来れるのでいいですね」。

 山崎久留美理事長は、5年前にセンター1階に設けた社員食堂とセットの健康経営だと強調。「職員の能力発揮には運動と食事が大切。ジムで気分転換し、健康になれば仕事のパフォーマンスが上がるし、組織が活性化してコミュニケーションも深まる」とする。

「脂肪買い取り」
早朝から利用できるミタニ建設工業のジム(高知市はりまや町1丁目)

早朝から利用できるミタニ建設工業のジム(高知市はりまや町1丁目)

 ミタニ建設工業(同市)も2019年7月、市中心部のビルの一室を借り、約400万円を投じてジムを整備した。従業員の4分の1に当たる約40人が日常的に利用している。

 三谷剛平社長も週2日、早朝から通うというトレーニング好きで、「社員同士が意識を高め合って運動を続ける場が欲しかった。採用時のアピールにもなりそう」と期待を込める。

 モチベーション維持のため、「脂肪買い取りキャンペーン」と銘打った取り組みも実施。7キロのダイエットに成功した社員に金一封を贈呈したという。

仲良く卓球を楽しむヤマキンの社員(香南市香我美町山北)

仲良く卓球を楽しむヤマキンの社員(香南市香我美町山北)

 歯科材料メーカーのヤマキン(香南市)にも研究施設内にジムがある。山本樹育(しげなり)社長が知人のジム経営者から古い機器を譲り受けて整備し、費用は運搬費のみの約30万円。

 社員の発案で卓球台を置いたり、屋上にはゴルフの打ちっぱなしケージを設けたりと、今も手作りで拡張中。山本社長は「休憩時間にここで昼寝する社員もいる。気分転換の選択肢を増やして、働きやすい職場を目指す」と話した。

会社公認クラブも
 外部の会員制ジムと法人契約を結ぶ企業もある。

 高知市でフィッタ高知を運営するフジ・スポーツ&フィットネス(松山市)は「高知県内で十数社と契約している。新型コロナ下で従業員の健康づくりへの関心が高まり、問い合わせも増えてきた」。高知市の別のジムも「コロナで減った法人利用が戻りつつある」とする。

 産業機械の垣内(南国市)は19年から、10人以上で活動する運動クラブを社が公認して活動費を助成する。サッカーやソフトボール、釣りに登山、ボルダリングなど7部を数え、担当者は「福利厚生の位置付け。共通の趣味があれば、健康づくりと社内コミュニケーションが進む」。

 竹虎(須崎市)は竹材メーカーらしくオリジナルの「青竹踏み体操」を考案。社員が職場や自宅で青竹踏みを行っているという。山岸義浩社長は「血行も良くなるし、気分転換にもなっている」と笑う。

 県もこうした健康経営を後押ししようと、優良事例を「高知家健康経営アワード」として表彰。「高知家健康パスポート」と連動した仕組みに向けたアプリ改修も検討している。

 あの手この手で、社員のやる気と脂肪を燃やす取り組みが進む。自社ジムが一石二鳥、三鳥へとつながるか。(大山泰志、安岡仁司)

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