幼少期の牧野富太郎博士の部屋を再現した展示(写真はいずれも佐川町の牧野富太郎ふるさと館)
高知県内全域で3月に開幕する観光博覧会「牧野博士の新休日~らんまんの舞台・高知~」への機運を高めようと4日、さまざまなプレ企画が始まった。佐川町では牧野富太郎博士が幼少期を過ごした部屋が再現され、自筆の書などを展示。同博覧会推進協議会はスマートフォンを使って博士ゆかりの植物を集めるゲームをスタートさせた。4月のNHK朝ドラの放送開始に向けて、観光関係者らの期待が膨らんでいる。
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佐川町甲の牧野富太郎ふるさと館はリニューアルが完了し、牧野博士幼少期のエピソードを基に再現した部屋などがお披露目された。
牧野博士が分解した時計を再現
ふるさと館は博士の生家跡に立つ。リニューアルは、県内での観光博覧会プレ企画開幕に合わせて町が実施した。
植物スケッチや蔵書のレプリカ
町教委によると、幼少期の部屋は資料が残っておらず、自叙伝などを基に想像で再現。6畳のスペースに明治期の家具を置き、植物のスケッチや蔵書のレプリカを「牧野さんのことやき、たぶん散らかっちょったろう」(担当者)とあえて床や机にちりばめた。子どもの頃、好奇心で牧野博士が分解したという時計なども置かれ、来館者は自由に部屋に上がって写真撮影できる。
よく植物採集に出掛けていた牧野博士の書き置きを想像で設置
また、館の入り口付近に、博士の実家が営んでいた酒屋「岸屋」の看板や酒「菊の露」ののれんなどをあしらい、より生家らしさを演出。館内展示も、博士自身が振り返った幼少期の思い出を、漫画のような吹き出しで紹介する内容に一新した。広田春秋教育次長は「牧野少年の気持ちになって楽しんでほしい」と話している。
ふるさと館は月曜休館。プレ企画開幕に合わせ、周辺の佐川文庫庫舎や学問所「名教(めいこう)館」にも牧野博士関連のパネルなどを設置した。(楠瀬健太)