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2023.01.16 08:33

日本植物界の名誉「ヤッコソウ発見」 シン・マキノ伝【42】=第4部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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冬の訪れを告げるヤッコソウ(高知県土佐清水市以布利、2022年11月15日撮影)

冬の訪れを告げるヤッコソウ(高知県土佐清水市以布利、2022年11月15日撮影)

 ヤッコソウは、牧野富太郎の長年収集した標本が収蔵される東京都立大学牧野標本館のロゴとして知られる、全長わずか数センチの愛らしい植物である。牧野ゆかりの代表的植物の一つであることは言うまでもない。和名は、牧野が名づけ親で、奴の踊る姿に似ている形状による。学名も牧野が付与し、さらに新科を創出した。新科名を定めるということは、当時めったにないことで、牧野自身にとっても日本の植物学界においても非常に名誉なことであった。今回は、このヤッコソウの発見を話題とする。参考とするのは「霧生関」(26号、1912年)に寄稿した「新発見のやっこさう」という牧野の記事と、学名等を発表した「植物学雑誌」である。

 ヤッコソウ発見の経緯は次のようなことである。すなわち、高知県幡多郡の中村から数里離れた土地で中学生が見つけた植物を、…

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