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2022.11.02 08:40

「おれおれ」回帰? 高知県内の詐欺被害続発 9月以降3件700万円 古典的手口を巧妙化、県警が注意喚起

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 親族をかたる電話で現金などをだまし取る「おれおれ詐欺」の被害が、9月末から県内で続発している。昨年は被害がなく、今年も8月までは0件だったが、9月末から3件相次ぎ、被害額は計505万円に。だまし取られたキャッシュカードで200万円が引き出される被害も出た。不審電話の相談も、8月末まで1件だったのが9~10月で19件と急増。一部の犯行グループが古典的な「おれおれ」の手口に回帰しているとみられ、県警が注意を呼び掛けている。

 県警によると、10月26日午前11時ごろ、高知市の90代女性宅に「もしもし誰か分かる?」と男から電話があった。

 女性がおいの名前を出すと、男はおいを装って「携帯電話、キャッシュカード、書類を落とした。(落とし物として)あがっているが、取りに行けていない」「300万円を支払わないといけない。部下の母親が200万円用意してくれた。100万円を立て替えてほしい。あしたには返せる」などと告げた。

 その後、部下を名乗る男からのお礼や、郵便局員を名乗る男から「落とし物が郵便局に届けられている」との電話が立て続けにあり、最後は、おいを装った男から「(部下の弟に)100万円を取りに行かせる」との連絡があった。

 女性は求めに応じて金融機関の窓口で100万円を引き出し、自宅近くまで来た男に手渡した。その日のうちに、女性がおいに連絡して被害が発覚したという。

 古典的手口として知られるおれおれ詐欺だが、犯人側はだましの手口を巧妙化させてもいる。

 息子などになりすまして電話した後、立て続けに複数の人物が連絡。被害者が「あれ? 声が違うのでは?」と不審に思う時間や余裕を失わせるように仕向けており、県警は「複数人から立て続けに連絡があることで、冷静な判断をさせにくくしている」とみる。

 9月30日には高知市の70代女性が、息子をかたる男に「バッグを盗まれ、会社の支払いに関する書類などがなくなった」「部下を行かせる。キャッシュカードを準備し、暗証番号をメモ書きして」と言われ、訪ねてきた男にキャッシュカード4枚と暗証番号のメモ、息子への援助として現金5万円を手渡した。その後、カードからは約200万円が引き出されていた。

 10月26日には四万十市の80代女性が、おいを装った男から「部下が郵便物の送り先を間違えた。今日中に再送するには1300万円必要。1千万円は親から借りる。残りを負担して」「女の人がおばちゃんの所へ行く」などと告げられ、自宅近くまで来た女に現金400万円を手渡した。

 いずれも最初は自宅の固定電話に連絡があり、親族のほか病院関係者や金融機関職員、部下など複数の人物が登場。自宅近くに来た人物に現金などを手渡す手口だった。

 県警は「不審な電話があればうのみにせず、家族に連絡するか、警察に相談してほしい」と呼び掛けている。(村上和陽)

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