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2022.10.28 08:40

赤身重視の厳格認定 土佐あかうし「ルージュ」100頭に到達 高知県と生産者が一丸

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100頭目となったトサルージュビーフ=右端 (高知市海老ノ丸の県広域食肉センター)

100頭目となったトサルージュビーフ=右端 (高知市海老ノ丸の県広域食肉センター)


 土佐あかうしらしい、赤身のうまみが詰まっているとして「Tosa Rouge Beef(トサルージュビーフ)」と認定された枝肉が27日、100頭を突破した。高知県とJA高知県が2020年4月に独自の厳しい格付け制度を設け、サシ(脂)だけに頼らないうまみを生産者と探究してきた努力が実った。

 牛肉の上位格付けはA1~A5の5等級あり、サシの入り具合が大きく左右する。黒牛の霜降りが最上級のA5を取りやすい半面、本県固有のあかうしはサシが入りにくく、出荷しても7割がA2、A3に集中していた。

 ルージュビーフはA2、A3のあかうしを「皮下脂肪の薄さ」「ロースの大きさ」など赤身の質で再審査し、最上のR5と標準以上のR4を認定している。

 あかうしは1990年代には県内肉用牛の8割を占める約8千頭が飼育されていたが、91年の牛肉輸入自由化以降はサシ重視の消費動向も重なり、頭数が徐々に減っていた。

 そこで県と生産者は2009年から、赤身の質を重視するフランス、イタリア料理向けにブランド化を推進。13年に1595頭まで減っていた頭数は19年には2400頭に回復し、さらに価格底上げのため独自の格付けでPRしてきた。

 導入から2年半で同JAに出荷された1222頭のうち、ルージュビーフ認定は1割未満という厳しさ。27日に高知市の県広域食肉センターの競りで生まれた100頭目の枝肉は、土佐郡大川村の第三セクター「むらびと本舗」が出荷し、1キロ2600円と最高級の黒牛に匹敵する値が付いた。

 競り落とした三谷ミート(香美市)の三谷高志専務(58)は「すぐ101頭目が欲しい。まだまだお客さんを待たせているので」と声を弾ませた。ただ、大きな節目を迎えたあかうしの産地では、最近の飼料高騰が重くのしかかり始めている。(蒲原明佳)

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