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2022.10.21 08:35

苦心の結晶「日本植物志図篇」 シン・マキノ伝【18】=第2部= 田中純子(牧野記念庭園学芸員)

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ジョウロウホトトギス

ジョウロウホトトギス(日本植物志図篇、第1巻第1集第1版、石版・手彩色)=高知県立牧野植物園所蔵

 牧野富太郎は「植物学雑誌」に研究成果を発表していくが、それとともに日本に生育する植物の種ごとに解説・図示した書物、つまり植物誌の編さんを目指すようになる。牧野が植物分類学において活躍をはじめる明治10年代後半から20年代にかけて、日本の植物を調べる際に参考となる今日の図鑑のようなものといったら何があったであろうか。それについては江戸時代に作られた、日本の植物(渡来したものも含める)の図と文章からなる図説集が挙げられよう。代表的なものとしては、岩崎灌園(1786~1842年)の「本草図譜」と飯沼慾斎(1783~1865年)の「草木図説」がある。どちらも様々な植物の情報を収集し自ら絵筆をとって作り上げた力作以外の何ものでもないが、植物を分類する観点が相違している。前者は、「本草綱目」という中国の代表的な本草書の綱目に倣って「山草」・「芳草」・「湿草」などに分け、後者はリンネの分類法に従ってしべの数に基づく24綱目に分けている。そして、後者は明治8年に田中芳男・小野職愨(もとよし)によって、ローマ字表記による学名などが加えられて「新訂草木図説」として刊行された。後年、今度は牧野富太郎が花のつくりなどを示す詳細な部分図を加え解説も補足して増訂版を…

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