2022.09.27 10:00
三井情報、メタボローム解析プラットフォーム「MetaboAlign」を提供開始
- 複数のメタボロームデータの一斉解析に対応しターゲット分析の精度向上を支援 -
三井情報株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：浅野 謙吾、以下 三井情報）は、質量分析で得たメタボロームデータを解析する「MetaboAlign（メタボアライン）」を2022年10月より販売開始します。MetaboAlignは複数の検体から取得したメタボローム(*1)の測定データを一斉に定量的に比較できる解析プラットフォームで、メタボローム解析の精度向上および効率化を実現します。三井情報はMetaboAlignの提供を通じて、医療・創薬分野の研究だけでなく、食品や化粧品の機能性評価/商品開発を支援していきます。
メタボローム解析では細胞内に存在する脂質を含む代謝物の大規模な変動解析が必要で、多検体のサンプルから目的の代謝物質の量的変動を解析するには、研究者の経験と膨大な手作業を要します。また、測定手法・質量分析器によって異なる形式のデータが生成され、それぞれのソフトウェアで解析した多種類のデータを解析（変動解析）するのは困難でした。研究者からは分析装置に試料を注入してから各代謝物が検出されるまでの時間（保持時間）にズレが生じて、検体のピーク値が正確に比較できない（ミスアライメント）、同じ保有時間に溶出する目的以外の代謝物（共溶出する異性体）が識別できないといった課題を解決するソフトウェアを望む声もありました。そこで、三井情報は、様々な形式のデータを統合した解析を可能にし、メタボローム解析を包括して支援することを目的にMetaboAlignを開発しました。MetaboAlignは保有時間の自動補正によって複数の検体を同時に比較（アライメント）が可能で、従前より提供しているノンターゲット分析向けの脂質同定ソフトウェアのLipidSearch（リピッドサーチ）と連携することで、さらに効率的かつ同定精度を高くメタボロームの解析ができます。
【画像：https://kyodonewsprwire.jp/img/202209267146-O1-Ph54eLtP】
- MetaboAlignの分析画面イメージ -
■MetaboAlignの特長
① マルチベンダー、測定手法に対応
各質量分析装置ベンダーのデータフォーマットに対応しているため、質量分析装置のベンダーに依存せずにメタボロームの解析ができます。また、SRM、DDA、DIA、PRM、Full Scanといった様々な測定手法に対応し、定量分析や目的成分のピーク探索などターゲット分析の様々な用途への利用を可能としています。
② 複数のサンプルを一斉解析
MetaboAlignは質量分析器から得られるSRM測定データを用いた定量分析において、複数のサンプル由来の成分を一斉に整列(アラインメント)し、比較解析することができます。
③ LipidSearchの技術を活かした高速かつ正確な同定
独自の波形解析エンジンによって高速かつ正確な同定が実現しました。そして、脂質を網羅的に分析するLipidSearchと組み合わせて解析することで、より正確な同定情報との紐づけができ、解析の感度および精度高くメタボロームの定量分析を可能にしています。
三井情報はMetaboAlignの提供を通じて、基礎研究におけるメタボローム解析を支援し、今後も各分野の研究開発をバイオサイエンス事業のナレッジとIT技術を駆使して加速させていきます。
(*1) メタボローム：メタボロームは低分子代謝物質の総称です。
【関連ページ】
製品ページ： https://www.mki.co.jp/solution/MetaboAlign.html
【三井情報株式会社について】
三井情報株式会社（MKI）はキャッチコピー『ナレッジでつなぐ、未来をつくる』を掲げ、ICTを基軸とした事業戦略パートナーとしてお客様のIT戦略を共に創り、デジタルトランスフォーメーションを支援しています。半世紀にわたり培った技術や知見の結実である“KNOWLEDGE”を活かし、お客様と共に価値を創造する「価値創造企業」として絶え間ない挑戦を続けていきます。
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