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2022.09.04 08:37

遊び心、詰め込み過ぎ!ずっと「未完成」な横内さんの手作りハウス(高知県黒潮町)―フォっトけないす

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子ども向けに取り付けたネットと大人も上れる本棚。遊び心いっぱいの仕掛けを楽しむ横内デーブさん(中央)、海都君(左)、映葉ちゃん(右)=写真はいずれも黒潮町奥湊川

子ども向けに取り付けたネットと大人も上れる本棚。遊び心いっぱいの仕掛けを楽しむ横内デーブさん(中央)、海都君(左)、映葉ちゃん(右)=写真はいずれも黒潮町奥湊川


 「ねえ、見てて!」。子どもたちが宙づりのネットの上ででんぐり返しを決める。登れる壁、抜けられる穴…。幡多郡黒潮町奥湊川にある仕掛け満載の〝新築〟物件で一家4人が暮らす。実は夫妻の手作りで、まだまだ絶賛建築中。そして、夫妻は笑う。「完成する気がしないんです」

 横内デーブさん(43)、悠(はるか)さん(37)夫妻が手掛けた木造2階建ては、長男の海都君(6)と長女、映葉(えいば)ちゃん(3)にとっては自宅であり遊び場。友達も大喜びで、アスレチック気分を満喫している。

台所横には黒板の壁。悠さん(右奥)夫妻はメモ帳代わりに、子どもたちは絵を描いたり、足し算をしたり

台所横には黒板の壁。悠さん(右奥)夫妻はメモ帳代わりに、子どもたちは絵を描いたり、足し算をしたり

 米国出身のデーブさんは中学時代、馬小屋造りなどを通じてDIYを学んだ。教員が自作した家に生徒が住むのがお決まりで、「材料と工具、技術があれば、家は造れる」と教わったという。

 外国語指導助手(ALT)をしていた愛媛県で、同県出身の悠さんと出会った。悠さんは本県の教員に採用され、2012年から四万十市で中学教員として働く。13年に結婚し、黒潮町の借家で暮らし始めた。
1階リビングから穴を通じて2階寝室に上がることができる。遊びに来た友達にも人気のスポット

1階リビングから穴を通じて2階寝室に上がることができる。遊びに来た友達にも人気のスポット


 同町を気に入った2人。デーブさんが「この町で家を造りたい」と持ちかけると、物作りが好きな悠さんも「面白ーい! やろう!」。町内の知人を頼って約500坪の土地を確保。基礎と電気、水道工事は業者に頼み、それ以外は17年12月に夫妻で造り始めた。
階段の裏側はまだ手付かず。飼い猫が気に入って、くつろいでいる

階段の裏側はまだ手付かず。飼い猫が気に入って、くつろいでいる


 デーブさんは農業、悠さんは教員として生計を立てる。ある日には柱を立て、別の日には屋根を張った。仕事の合間に進める作業。壁をペンキで塗り、風呂場を仕上げ、これで住める―となったとき、家族は4人になっていた。
緑の屋根と風見クジラが目印

緑の屋根と風見クジラが目印


 昨年10月に住み始めた新居。リビングの天井につるした長さ約6メートルのネットや、高さ2メートル超のボルダリング壁、1階から2階への通り穴、一面黒板の壁…。子どもが喜ぶ工夫があちこちにある。

 そして、造りかけの箇所もあちこちに。悠さんは「この壁はしっくいが塗ってないし…。まだまだ造りたいものがいっぱい」。お客さんを招くことが、次の作業を始めるタイミングになるのだとか。

 「この家は未完成だけど、それはそれとして、次はあずまやを造りたい」とデーブさん。子どもたちの成長に合わせ、家もまだまだ成長していきそうだ。 (幡多支社・河本真澄)

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