2024年 05月06日(月)

現在
6時間後

こんにちはゲスト様

2022.08.31 08:39

高知はローカルアイスの宝庫 香南市の〝活動家〟400種調査 人や文化の交流ツールに

SHARE

コレクションのパッケージとともに県産アイスを紹介する横田佳歩さん(香南市香我美町上分)

コレクションのパッケージとともに県産アイスを紹介する横田佳歩さん(香南市香我美町上分)

 ユズ、ナス、トマト、ショウガ、アオノリ…。高知の誇る食材は大抵、甘く冷たいアイスクリームになっている。香南市香我美町でデザイン事務所を営む横田佳歩さん(30)は、それらもまた全国に誇れる特産品と考えた。「ローカルアイス活動家」を名乗り、400種以上の県内商品を調査。アイスをツールに、人や文化の交流イベントを企画している。

 県外の大学を卒業後、和菓子メーカーに就職。東京を拠点に営業などで全国の百貨店やスーパーを巡り、気付いた。高知ってアイスの種類多くない?

 2019年にUターン。ウェブやチラシのデザイン、地域活性化に向けたコンサル業などの傍ら、津々浦々の店で冷凍庫をのぞいた。すると、あるわあるわ。3年間で確認した400種超は包装、小売りされている県内製造の品だけで、メーカーは10社以上という。

 ちなみに総務省の家計調査によると、アイス・シャーベットの年間支出金額(19~21年平均)で高知市は全国6位。1位は金沢市だが、横田さんによると商品は大手企業のものが多く、ローカル色の濃さでは高知に軍配が上がるそう。

 横田さんは「こんなにアイスが充実した地域はめったにない」と強調。「県内でもなじみの商品やメーカーには地域差がある」とも話し、多彩なアイスを高知の文化と捉える。

 その魅力を広めようとこれまで、高知市などでアイスを模した粘土作品づくりや、農家と一緒に野菜アイスを作るイベントなどを10回余り開いてきた。新型コロナウイルス下では、オンラインでの食べ合わせ研究も。アイス好きの老若男女が酒に合うアイスなどを探ったという。

 Uターン前から東京の美大に通い、高知とは2拠点生活の横田さん。忙しい日々でもアイスへの情熱は衰えず、秋には地元香南市でものづくりやアートとアイスを組み合わせたイベントを計画している。

 目標はアイス文化の発信だけではなく、人々の目を足元にある他の文化にも向けること。横田さんは「人や食文化、昔からの知恵や技術…。アイスを媒介にいろんなものを〝溶かしたい〟」。集めたアイスのパッケージを前に笑った。(深田恵衣)

高知のニュース 香南市 ひと・人物 グルメ

注目の記事

アクセスランキング

  • 24時間

  • 1週間

  • 1ヶ月