2022.06.25 08:35
「おきゃく文化」映画化へ dancyu編集長「世界に発信」
おきゃくがあれば「どこでも行きます」とポーズを決める植野広生さん(県庁)
植野さんは2019年に「土佐のおきゃくPR大使」に就任。数カ月に1度は高知で飲み歩いているという。
おきゃくに出合ったのは30年以上前、どこかの落成式の取材で。「体育館にずらーっと皿鉢が並び、昼間から酒を飲んでるのを見て『えらいところだな』と」。同時に、おもてなしの文化が日常に残っていると心が震えたという。
だが新型コロナ下でおきゃくが開けず、参加したことがない若者も増えている現状を「ある意味で危機」と指摘。「今だからこそ、おきゃくを記録としてきちんと残しておきたい」と映画を作ることにした。
関係者によると、撮影は今夏から1年を通じて行う予定。構想では、吾川郡仁淀川町の「秋葉まつり」など、各地を植野さんが訪ね、地域に残るおきゃくを人々の声や四季の風景とともに伝えていくという。製作は、植野さんが出演するBSのグルメ番組「植野食堂」を手掛ける共同テレビジョンが担い、70分のドキュメンタリーに仕上げる。
この日、県庁で報告を受けた浜田省司知事は「映画化は大賛成。できる限り応援したい」と応じていた。
植野さんによると、製作費は「映画『トップガン』よりは少ないけど、多くかかる」ため協賛金をホームページで募集。協賛者の名は映画のエンドロールで流すという。
植野さんは「完成したらおっきいスクリーンで見ながら大おきゃくをしたい。オール高知で映画を作りましょう」と呼び掛けた。(浜田悠伽)