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2022.06.01 08:40

四万十市、四万十町の大規模風力発電断念 オリックス「風量不十分」

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風力発電所が計画されていた尾根周辺(四万十町の杓子峠付近)

風力発電所が計画されていた尾根周辺(四万十町の杓子峠付近)

 オリックス(東京)が、高知県高岡郡四万十町と四万十市にまたがる尾根筋で計画していた大規模風力発電所(仮称=大藤風力発電所)の建設を断念したことが、31日までに分かった。同社は「風況調査の結果、十分な発電量が見込めないため」と理由を説明し、両市町に報告した。

 同発電所は、同町大正と同市片魚にまたがる杓子峠付近の尾根筋に高さ120メートルの風車を最大49基(総出力最大14・7万キロワット)設置する計画だった。同社は2026年の運転開始に向け19年から地元説明会を開催し、ヤイロチョウの生息に関する調査など環境影響評価を進めていた。

 同社によると、発電事業は環境省のデータなどから風量を踏まえた上で計画された。ただ環境影響評価の一環で20年夏から今年3月まで実施した風況調査の結果、「最も風が強い1~3月を含め、発電に必要な風量が十分には見込めないことが分かった」という。

 計画を巡ってはこれまで、両市町の住民グループが中止を求める要望書や署名を両市町に提出。四万十町では、20年の町議会12月定例会で「町有地の提供を有償、無償にかかわらず認めない」ことなどを求める請願が一部採択されていた。

 中尾博憲町長は「自然への影響など事業者が示したデータを町独自に分析した上で(計画への態度を)判断する考えだったが、それ以前の事業者側の判断として受け止める。町議会などでの議論は、今後の町の環境問題に生かしたい」と話した。

 また四万十市の中平正宏市長は「開発による環境破壊を心配する声もあったが、しっかりした体制を整えれば山の手入れが進むメリットもあったと思う。(計画中止は)残念だが仕方ない」と話した。(小林司、河本真澄)

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