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2022.04.15 08:45

放送前早くも!牧野植物園「朝ドラ効果」で来園倍増 10日間で1万人、駐車場が課題

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平日の県立牧野植物園。シニア層らでにぎわっている(高知市五台山)

平日の県立牧野植物園。シニア層らでにぎわっている(高知市五台山)

 高知市の県立牧野植物園が早くも〝朝ドラ効果〟に沸いている。来園者は4月1日からの10日間で、前年の2倍以上となる1万人を突破。NHKの連続テレビ小説「らんまん」の放送開始を来年に控えて全国メディアの取材も相次いでおり、園職員は「これからさらに盛り上がると思う」と期待する。ただ、今秋には駐車場の改修などで駐車スペースが大幅に減る見通しで、その影響も心配されている。

 1958年オープンの同園は、99年に牧野富太郎記念館など新たな施設を加えてリニューアル。2019年には新たな園地の「こんこん山広場」「ふむふむ広場」が整備され、常設展示館もリニューアルした。

■週末は行列
 新型コロナ禍前の19年度の入園者数は約17万4千人だったが、20年度は約11万6千人まで落ち込み、21年度も低調続き。それが今年2月に、朝ドラ化という「想定外の吉報」(園職員)が舞い込んでから入園者が増えてきたという。

 3月19日にはイベント「春のフラワーショー」も始まり、週末には家族連れらが千人以上が訪れた。元々、「桜の開花に合わせて人が増える時季」だが「それにしてもすごい」と職員。27日には2565人が訪れ、21年度の来園者数は12万8千人まで盛り返した。

 新年度も好調が続く。4月1~10日の入園客は約1万200人に上り、昨年同期の4764人から倍増した。週末には駐車場に県外ナンバーがずらりと並び、入り口には消毒や体温測定の行列ができている。シニア層も多く、職員は「朝ドラを前に、植物や博士の生涯を予習しにいらっしゃってるのかも」。

 香川県三豊市から友人と訪れた曽根慶美さん(67)は朝ドラ化決定を機に足を延ばしたそうで、「いつかは来たいと思ってた。カラフルに咲いた春の花がおしゃれ。ドラマが始まったら、また来たい」。

 月に1度は訪れているという高知市の60代の夫婦も、「人が少ない平日を狙って来たのに、思った以上に多くて驚いた」「朝ドラ化を知った東京の友達からも『園に行きたい』と連絡があった。コロナが落ち着いたら一緒に来ようと思う」と笑顔を見せた。

■シャトルも
 ただ、園関係者が憂慮していることがある。駐車場の狭さだ。

 園には、入り口近くの第1(乗用車116台、バス8台など)と竹林寺側の第2(乗用車64台)の駐車場がある。例年、行楽シーズンには大混雑するが、今年はそれに拍車がかかる見込みだ。

 実は、長年の課題解消にと、5月の大型連休明け以降に第1駐車場の拡張(40台分増)工事を行うことが決まっており、6月下旬ごろから駐車スペースが大幅減となる見込み。加えて、南園で進む新研究棟(23年春完成予定)の工事の影響で、3月末から第2駐車場のスペースは半分ほどとなっている。

 これらの影響で9、10月には第1、第2を合わせても50台ほどしか駐車できなくなる。

 3月19日からは高知新港に臨時駐車場(80台)を構え、土日祝日などに30分ごとに無料シャトルバスを運行中。だが周知不足もあり、五台山を上った車150台ほどが新港に回された日もあった。

 園は駐車場の混雑具合をインターネットでリアルタイムで伝えており、バスの増便も検討中だそうで、担当者は「注目がたくさん集まる時期に、ご迷惑をお掛けします。たくさんの人が博士に会いに来られるようご協力を」と呼び掛けている。

 ちなみに、入園者数の過去最多記録は開園50周年に当たる08年度。県内で「花・人・土佐であい博」が開催されたこともあり、20万8千人が来園した。 (浜田悠伽)

高知のニュース 高知市 遊び場 牧野富太郎

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