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2022.03.29 08:38

濱口竜介監督 祖父母・父が高知市出身 県内映画関係者「アカデミー賞受賞はホームラン級」

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祖父・浜口喬夫さんの膝の上で笑顔を見せる10歳の濱口竜介監督 (高知市二葉町の喬夫さんのアトリエ=父・達男さん提供)

祖父・浜口喬夫さんの膝の上で笑顔を見せる10歳の濱口竜介監督 (高知市二葉町の喬夫さんのアトリエ=父・達男さん提供)

 第94回米アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞した映画「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)。濱口監督の祖父母と父は高知市出身で、子どもの頃には祖父母の家をたびたび訪れるなど高知との縁も深い。28日、県内の映画関係者らからは「高知にゆかりのある人が評価され、うれしさ倍増」など受賞を喜ぶ声が上がった。 

 川崎市で生まれた濱口監督は子どもの頃、父の達男さん(73)=東京都在住=の仕事の関係でイラン、茨城県や岐阜県などで過ごした。正月には、高知市二葉町にある祖父母宅を家族と訪れた。

 祖父で洋画家の浜口喬夫(たかお)さん(1908~95年)は、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業。2度の応召の後、美術教育に携わり、高知県内の公立高校や土佐女子高校で教壇に立った。海や花など自然を愛し、端正で温和な画風で知られ、県立美術館に4作品が収蔵されている。

 達男さんによると、少年時代の濱口監督は高知滞在中、喬夫さんの運転で家族と室戸の海を見に行ったり、五台山を訪れたり、祖父母との時間を楽しんでいたという。

 授賞式前日から帰高していた達男さんは高知市内で式の中継を目にし、「自分でやりたいと進んだ映画製作の道で認められて本人もうれしいと思う」と静かに喜びをかみしめた。

 喜びや感嘆の声は県内の映画業界からも。移動上映や映画上映を手掛けるシネマ四国代表取締役の田辺高英さん(55)は「すごい。高知ゆかりの監督作品が世界的に評価されたことがうれしい」。自主上映団体「ゴトゴトシネマ」主宰の前田誠一さん(53)は「ホームラン級の作品があると、普段は劇場に来ない人も足を運んでくれる。『ドライブ・マイ・カー』の受賞はまさにホームラン級。これで劇場に少しでも客足が戻れば」と期待を寄せた。

 TOHOシネマズ高知では「ドライブ―」を昨年8月から約1カ月間上映した後、今年2月中旬から再上映中。「アカデミー賞にノミネートされてから見にくる人が増え、受賞決定後、さらに増えている感じです」。28日はこれまでの1日1回上映から4回に増やして対応。今後も1日複数回上映する予定。

 県立美術館は来年1月、濱口監督の特集上映会を企画。遠戚に当たるホール事業担当、浜口真吾さん(59)は「初期の短編も上映し、喬夫さんの作品も展示したい」とうれしそうに話した。(竹村朋子、村瀬佐保)

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