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2021.12.03 08:35

関勉さんの名著復刊「新版 未知の星を求めて」あす12/4発売

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多くの読者 宇宙へいざなう
 コメットハンターの関勉さん(91)=高知市上町2丁目=が1966年に出版した「未知の星を求めて」の新版(高知新聞社刊)が4日、発売される。多くの人を宇宙へいざなった名著として知られるが、半世紀を過ぎて入手が難しくなっていたため、新たな書き下ろしや写真、索引などを加えて復刊した。

 65年に関さんらが見つけた彗星(すいせい)はやがて太陽に大接近し、夜空に長大な尾を伸ばす天体ショーで世界を驚かせた。この池谷・関彗星など6個の彗星と223個の小惑星を見つけた関さんは、卒寿を過ぎた今も県立芸西天文学習館の講師として子どもらに星の魅力を伝えている。

 初版本は、池谷・関彗星の発見直前まで本紙に掲載されていた連載をベースに出版。高知に新しいプラネタリウムができるなど星空に関心を持つ新たな環境も生まれていることなどから、宮地竹史・元石垣島天文台所長(香美市出身)や同館の講師陣らが「名著を改めて多くの人に読んでもらおう」と復刊作業に当たってきた。

 自宅物干し台の上で若き日に始めた観測。漆黒の闇を見つめる日々は、失意と落胆、驚きの連続だった。関さんはその時々の内心と舞台裏を「疑惑の星」「分裂か、蒸発か」など各項、軽妙な筆致でつづり、一遍の推理小説のような趣もある。

 南米チリでアルマ望遠鏡の建設に携わった国立天文台の長谷川哲夫名誉教授は、小学生の頃に初版本を読んだことがきっかけで天文の道へ入った一人。新版に「折に触れて読み返しては気持ちを奮い立たせていた」と巻頭辞を寄せている。

 四六判276ページ、1650円(税込み)。県内書店などで購入できる。高知新聞ウェブサイトから購入した先着500人には、池谷・関彗星発見当時の本紙コピーなどの特典がある。(野村圭)

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