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2021.11.29 08:40

敗戦後の引き揚げ描く大作絵画、高知市かるぽーとで「一九四六」展 12/5まで

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引き揚げの歴史を伝える絵画作品「一九四六」(高知市九反田)

引き揚げの歴史を伝える絵画作品「一九四六」(高知市九反田)


 敗戦後の1946年に中国大陸から引き揚げる日本人の姿を描いた絵「一九四六」の展示会が28日から、高知市の市文化プラザかるぽーとで始まった。中国人画家、王希奇(ワンシーチー)さん(61)が手掛けた縦3メートル、横20メートルの大型作品。訪れた人は時間をかけて鑑賞し、それぞれに思いをはせた。

 「一九四六」は、南満州鉄道関係者や開拓団員などとして中国東北部に渡り、敗戦の混乱の中で船を目指す人々を描いている。

 絵を離れて眺めると拠点港・葫蘆(ころ)島の情景が浮かび上がる。近づいて見ると子どもを背負う片脚の男性や抱えた赤ん坊に乳を与える女性ら、一人一人の表情やしぐさが細かく描かれており、人々が背負う物語が迫ってくる。

 訪れた人の中には、「当時を思い出した」「絵の中に知り合いがいそう」と涙ぐむ人も。9歳で引き揚げてきたという大石泰亮さん(85)=須崎市西糺町=は「敗戦で日本人の立場が一変し、『子どもは殺される』と思った。日本に帰りたい一心だった。あの時に見た風景が、そのまま描かれている」と感慨深げだった。

 会期は12月5日まで、午前9時半~午後6時半(最終日は午後4時まで)。月曜休館。王さんの絵画10点や引き揚げ者の衣類などを展示している。(八田大輔)

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