2021.11.25 08:45
「夫はなぜ死んだの?」コロナワクチン接種直後...南国市の遺族が心境【夫はなぜ死んだ コロナワクチンを考える】
新型コロナワクチン接種直後に死亡した男性の妻が、本紙「声ひろば」に送った原稿
「2時間ぐらいしたら電話があり病院へと駆けつけた」
「対面したその姿は確かに主人に間違いない。でも朝見送った時の姿ではなくなっていた」
「血の気がひいて頭はまっ白で、ただただ涙が止まらなかった」
「接種を迷っている時に『様子をみてゆっくり決めたら』と声をかけて止めていれば、あの日死ぬことはなかったのではないか」
「悔やんでも悔やんでも悔やみきれない」
「主人の分も元気で生きよう。今の私にはそれしかない」
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高知新聞の投稿欄「声ひろば」にこのほど、手書きでしたためられた2枚の原稿用紙が届いた。
投稿者は南国市の女性。夫の60代男性は7月4日、同市の市立スポーツセンターで米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンの集団接種を受けた直後、会場で倒れ、そのまま息を引き取った。死亡診断書には「急性心筋梗塞疑い」を原因とする「心室細動」と書かれている。
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これまでに米ファイザー製のワクチン接種を受け、副反応疑いで国に報告された死亡事例は1279件に上る。
厚生労働省審議会の副反応検討部会の評価によると、接種と死亡の因果関係は「情報不足などで評価できない」が1272件と99・4%を占め、南国市の男性の事例もこの中に含まれるとみられる。その他は因果関係が「認められない」が7件、「否定できない」が0件。つまり、接種が原因で死亡したと確認された事例は1件もない。
「医学的なことは分からないけど、『ワクチンのせいではない』と言い切れる根拠が、私には今も分からないんです」
夫はなぜ死んだの?―。答えは今も霧に包まれたまま、手の届かないところにある。高知新聞の取材に応じた遺族が、疑念と後悔の感情が入り交じる心境を語ってくれた。その切実な言葉を基に、ワクチンの効果とリスクを考えたい。(海路佳孝)