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2021.11.20 08:35

引き揚げ者の姿描いた巨大画、高知市で11/28から展示 中国人画家・王希奇さん作

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中国人画家、王希奇さんが描いた「一九四六」

中国人画家、王希奇さんが描いた「一九四六」


12/2に俳優・宝田明さん講演

 敗戦の混乱の中、中国大陸で引き揚げ船を目指して歩く日本人の姿を描いた巨大な絵「一九四六」が28日~12月5日、高知市の市文化プラザかるぽーとで展示される。著名な中国人歴史画家、王希奇(ワンシーチー)さん(61)が引き揚げの歴史と悲惨さに衝撃を受け、3年半をかけて描いた縦3メートル、横20メートルの大作。引き揚げ者の高齢化が進む中、展示を企画した有志は「若い世代に見てもらい、歴史を伝えたい」と来場を呼び掛けている。

 1945年の敗戦時、中国東北部にいた日本人は満蒙開拓団員ら約155万人。翌46年5月に始まった米中などによる難民送還事業で、現遼寧省の葫蘆(ころ)島港から約105万人が帰国したとされる。

 飢えや病気、現地の暴徒やソ連軍の暴行など、悲惨な逃避行の末に港にたどり着いた人々は、引き揚げ船を前に長い列を作った。高知県は、人口比で全国3番目に多い約1万人を開拓団として送り出しており、葫蘆島から帰国した人も少なくない。

 作品は、王さんがインターネット上で見つけた写真がきっかけ。母親の骨箱を抱えて立つ、やせこけた子どもを写した1枚だった。

 写真の背景を調べると、46年に葫蘆島で撮影されたものだと分かり、「戦争の残酷さを感じとった」と絵筆を握った。墨絵と油絵を融合させた独特の手法で知られるが、その作業は「何度も何度も描き直して、仕上げた。引き揚げの苦しみを追体験するようだった」。

 巨大な絵としたのは、「見る人が歴史の現場に入り込むように」との狙いから。描かれた人たちが光を放っているような独特の陰影表現で、「生命力の強さを表現した」。荷物や幼い子どもを背負った女性、老いた人々ら数百人を一人一人、克明に描いた。

 「一九四六」はこれまで、東京や仙台、引き揚げ船が帰港した京都府舞鶴市などで展示されてきた。高知県での展示を企画した崎山ひろみさん(91)=高知市西秦泉寺=は旧満州・撫順市で生まれ、16歳で葫蘆島から引き揚げた。昨年2月に元教員や大学関係者らに呼び掛けて実行委員会を組織し、準備を進めてきた。

 崎山さんは「描かれた人々の目に恐怖や惨めさ、戦争の絶望と悲しさが表現されていて、自分の記憶と重なった。民族や国の違いを超えて描いてくれた気持ちに応えたい」と話している。

 ◇ 
 会場では、王さんの他作品や、引き揚げ者のリュックサックやコートなどを展示する。入場券は高新プレイガイドなどで販売中。1200円(前売り千円)で、学生・高校生以下無料。

 2日は、引き揚げ者で俳優の宝田明さんが「俳優として人間として~満州の歴史から平和を学ぶ」と題して講演する。定員100人、無料。問い合わせは同実行委員会(088・872・0540)へ。(八田大輔)

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