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2021.11.19 08:00

【立民代表選】目指す政権の在り方示せ

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 立憲民主党の代表選はきょう告示される。30日に投開票され、臨時党大会で、辞任した枝野幸男氏の後任が決まる。
 これまでに泉健太政調会長、逢坂誠二元首相補佐官、西村智奈美元厚生労働副大臣、小川淳也元総務政務官が立候補を表明した。
 衆院選では公示前の110議席から96議席へと減らした。党の立て直しは急務だ。旧国民民主党と合流した際の昨年9月の代表選は国会議員のみの投票だった。今回は地方議員や党員らも投票する。
 目指す政権の在り方と、岸田政権との違いをどのように政策展開しようと考えているのか、野党共闘をどう位置付けるのか。これらを積極的に論じることから党勢回復へ向けた動きが始まる。
 衆院選で立民は共産党などと統一候補を擁立した。かつては分裂していた票が野党一本化でまとまり、与党系との激しい接戦に持ち込む効果が見られた。
 しかし一方で、比例代表では議席を大きく減らしている。政権批判票にはならず、票の分散を招いたと指摘される。
 衆院選後の世論調査では、5野党の共闘関係を「見直した方がいい」が6割を超えた。立民支持層でも5割を上回る。共闘の限界と課題も示す結果となった。
 代表選では敗北の一因と指摘される野党共闘の成果と限界を検証し、その在り方と展望を示すことが不可欠となる。
 衆院選は自民党が単独で絶対安定多数に達した。この議席配分について、世論は「野党がもっと獲得した方がよかった」が4割を超えたが、「適切」も4割に近く拮抗(きっこう)している。反転攻勢は簡単ではない。
 党内には、共闘推進を訴える意見がある一方、左派色が濃くなりすぎることへの抵抗も根強い。路線対立の深刻化を懸念して、深い議論を避ける傾向もうかがえるという。しかし、避けられない課題だ。
 枝野氏の後任に誰がふさわしいかを尋ねた調査では、6割近くが「分からない・無回答」だった。実名を挙げた中では2桁台はいない。
 知名度の低さが浮き彫りになった格好だ。2017年の旧立民旗揚げから代表を務めてきた枝野氏の存在感の表れでもあるだろう。世代交代も言われているようだが、まずは一人一人が自らを顧みて、期待感を高める一層の努力が求められる。
 衆院選を巡り、新型コロナウイルス対策で批判が強まった菅義偉前首相との対決を望む本音も出ていたようだ。だが、政権交代を狙うのであれば、政策の発信と浸透を図ることが基本だろう。代表選は、党としてどうしたいのか議論を深めるチャンスでもある。
 健全な批判はもちろん必要だが、選択肢となる政策を提示してこそ説得力もでてくる。刷新した新執行部が来月召集予定の臨時国会や、来年夏の参院選に臨むことになる。党の再建に向けて、何をしたいのか明確な説明が必要だ。

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