2017.06.11 11:29
糖尿病の治療について【こうち医療ウォッチ】青柳クリニック
青柳クリニック 糖尿病内科・内科 高田浩史院長
【経歴】平成14年 久留米大学医学部卒業 平成14年 高知医科大学第二内科(現 高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科) 平成15年 高知県立中央病院 平成25年 東京女子医科大学 糖尿病センター 平成26年 高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科
髙田 2型糖尿病の原因には、過食や運動不足などの生活習慣に問題がありインスリンが効きにくくなる状態(インスリン抵抗性)と、インスリンを作る力が弱くなる状態(インスリン分泌不全)があります。それらがさまざまな程度に影響して糖尿病を発症します。患者さんごとに糖尿病の原因が違うため、これだけすれば糖尿病が治るという万能な治療法はありません。食事、運動療法などの生活習慣の見直しだけで血糖値が改善する患者さんもいますし、インスリン治療が不可欠な患者さんもいます。個々の患者さんにどの治療法が最も適しているかは、問診や検査で診断できます。糖尿病は現時点では根本的に治すことは難しい病気です。長く付き合っていく病気だからこそ、一度は糖尿病専門の医師の診療をお勧めします。
ー高齢者の糖尿病治療の問題点
髙田 高知県は高齢化率が全国2位で高齢化先進県です。高齢者の増加に伴い、高齢の糖尿病患者さんも増えています。高齢患者さんの問題点は、加齢とともに各臓器の機能低下(心臓、肝臓、腎臓など)や、認知機能低下が起きている可能性があり、薬剤の副作用が起こりやすくなっていることです。最近の研究では、高齢患者さんの厳格な糖尿病治療がかえって余命を短くする可能性もあることが報告されています。そのため、それぞれの患者さんの状態にあわせた治療法を選択することが大切になってきます。
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