糖尿病治療の歴史について
青柳クリニック 糖尿病内科・内科 高田浩史院長
【経歴】平成14年 久留米大学医学部卒業 平成14年 高知医科大学第二内科(現 高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科) 平成15年 高知県立中央病院 平成25年 東京女子医科大学 糖尿病センター 平成26年 高知大学医学部内分泌代謝・腎臓内科
歴史上で初めて糖尿病が登場したのは、紀元前1500年ごろの古代エジプトのパピルスで、糖尿病の特徴である多尿や、伝家の宝刀による魔法とまじない治療の記載がありました。日本では平安時代の貴族である藤原道長が糖尿病であったことが知られています。51歳で発病し多くの合併症を併発し、61歳で亡くなりました。糖尿病家系(伯父、兄も糖尿病)であったことや、ぜいたくな食生活が糖尿病の原因だと考えられています。もちろん、その当時には有効な糖尿病治療はありませんでした。糖尿病治療において最も大きな進歩は1921年のインスリンの発見でした。翌年には、糖尿病患者での大きな効果が証明されました。それ以降、糖尿病の治療法は格段に進歩していますが、最近の厚生労働省の発表では、糖尿病が疑われる成人が1千万人を超えて過去最多となっています。糖尿病の予防もしくは悪化を防ぐためにも、より多くの方に、糖尿病に対する正しい知識を持つことが必要であると思います。
11月14日は「世界糖尿病デー」です。糖尿病の啓蒙のために、毎年世界中でさまざまなイベントが開催されています。高知県では、11月14日に高知城がブルーにライトアップされ、11月19日に高知県世界糖尿病デー市民公開講座が高新文化ホールで開催されます。ぜひ、皆さんにご参加いただければと思います。
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